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### 15.Dec.2,011 ###


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ブラッカムの爆撃機
ロバート・ウエストール 岩波書店

英国児童文学の重鎮、ロバート・ウエストルの短編集。
  • ブラッカムの爆撃機
  • チャス・マッギルの幽霊
  • ぼくを作ったもの
の3篇を収録。 
Review 2011-004 “ライトニングが消える日” 同様、
本書を手にしたのも全くの偶然であった。
本書に収録されている宮崎駿氏の書き下ろし漫画
“タインマスへの旅”に惹かれた(釣られた?)のだ。

収録された3作品のうち、“ブラッカムの爆撃機”と“チャス・マッギルの幽霊”の舞台は
第2次世界大戦であり、ストーリーは怪談仕立てのオブラードで包んではあるものの、
戦争という愚行に真正面から取り組んでいる。
また“ぼくを作ったもの”の時代背景は不詳だが、第1次世界大戦で負った傷が癒えぬままの
祖父と孫との物語であり、勝者も敗者も同じように惨めに傷つく戦争の本質を
ありのまま伝えようとする作者の姿勢は、確かに児童文学としては異例であろう。

鈍足のウインピー(ヴィッカース・ウエリントンの愛称)爆撃機でドイツに夜間爆撃を加える
“ブラッカムの爆撃機”も悪くは無いが、戦争で受けた傷が元で気難くなった老人と
戦争の“せ”の字も知らぬ孫との和解を描いた“ぼくを作ったもの”が妙に心に残った。
READING PESOGIN
## この歳になるまで敬遠してきたが、
## 児童文学、侮りがたし。
## ... そう言えば、カバーも宮崎駿氏の絵なのだなあ

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