Bookshelf TOP MENU に戻る
Bookshelf '12年 TOPPAGE に戻る

### Recent UPDATE ###
### 14.Sep.2,012 ###


REVIEW 12-010へ REVIEW 12-011 REVIEW 12-012へ

ルー = ガルー 2 インクブス x スクブス
京極 夏彦 講談社

近未来美少女武夾小説第2弾。

ハードカバーで本編が950ページ強という、本の厚みと重量には閉口したが、
ストーリーにグイグイ引き込まれ、4日程度で読了。

前作同様、対人コミュニケーション能力の幼さゆえに、
ちょっと面倒くさい娘という印象であった“牧野葉月”を中心に、
本作もストーリーが進むのだろうと予測して本を開いたら、
第1ページの第1行目から裏切られてしまった。
小賢しい読者の平凡な予測を裏切り、上を行く姿勢は流石である。

前作では、食材(?)として拘束されていただけ(?)の“来生律子”と、
さほど出番が無かったワリに妙な存在感を醸し出していた“佐倉雛子”を主軸に、
ストーリーが始まる。
前作では充分に語られなかった、狼娘が牙を獲得するきっかけとなった事件から
物語が展開されるのだから、前作の読者には堪らない。
テンポ良く語られる物語はジェットコースターにも似て、本を置くのが辛い程。

ただ、前作に比べて、風呂敷は確実に大きくなっているのに、
たたみ方が雑、というか、肩透かし感は否めない。
また、事件の動機が、事件の大きさに比例していないようにも感じられる。
エピローグの結び方も前作同様、不完全燃焼といった趣だが、
続編への含みを持たせたとも読み取れるので、期待して待つことにしよう。
本作の主犯がなぜ、シスター・コンプレックスに苛まれ、犯罪に走るに至ったのか。
そこから次作のストーリーが始まるような予感を覚えた。
READING PESOGIN
## ネタバレしないように感想を記すのは、なかなか難しい。
## 前作よりもややパワー・ダウンしたような印象は否めないが、
## 物語の面白さは間違い無いので、
## 前作をお読みになった方は是非御一読を ...
## いや、私如きが今更、お奨めするまでもないよね?


REVIEW 12-010 へ REVIEW 12-011 REVIEW 12-012 へ

Bookshelf '12年 TOPPAGE に戻る
Bookshelf TOP MENU に戻る