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### 29.Aug.2,012 ###
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REVIEW 12-006 |
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鬼面の老女 ほか 鞍馬天狗傑作選 - 3
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大佛 次郎
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文芸春秋
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鞍馬天狗傑作選第3巻にして最終巻。
連作短編集といった趣の一冊。
収録作品は下記の9篇。
- 鬼面の老女
- 銀煙管
- 女郎蜘蛛
- 女人地獄
- 影法師
- 刺青
- 鬘下地
- 香りの秘密
- 雪の雲母坂
“雪の雲母坂”のみは中編である。
“鬼面の老女”は大佛次郎のデビュー後第2作
(処女作は“隼の源次”)にして、鞍馬天狗シリーズの第1作。
以下、“香りの秘密”まで連作が続くが、残念なことに“香りの秘密”では
ストーリーが完結せず、読者は途中で放り出されてしまう。
“刺青”から始まる『江戸さわがせ / 御用盗事件』の結末を是非、
拝読したいものだ。
驚いたのは敵役である新撰組の近藤勇、土方歳三らの人物像描写。
当初、彼らは京の街を騒がす乱暴者の首魁としてのみ語られる。
ストーリーが進むにつれ、彼らの描写も深みを増し、
彼らも鞍馬天狗同様、正々堂々とした漢として語られるようになるのだが、
当初から『立派な男』として描写されていたわけではなかったのだなあ。
新撰組ファンの方々には恐縮だが、私の新撰組嫌いの源流は、
鞍馬天狗シリーズで刷り込まれた、偏ったイメージにあったのかも知れない。
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## 狙撃され、行方不明となった鞍馬天狗の安否やいかに ... ?!
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REVIEW 12-006 |
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