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鬼面の老女 ほか 鞍馬天狗傑作選 - 3
大佛 次郎 文芸春秋

鞍馬天狗傑作選第3巻にして最終巻。
連作短編集といった趣の一冊。
収録作品は下記の9篇。
  •  鬼面の老女
  •  銀煙管
  •  女郎蜘蛛
  •  女人地獄
  •  影法師
  •  刺青
  •  鬘下地
  •  香りの秘密
  •  雪の雲母坂

“雪の雲母坂”のみは中編である。

“鬼面の老女”は大佛次郎のデビュー後第2作
(処女作は“隼の源次”)にして、鞍馬天狗シリーズの第1作。
以下、“香りの秘密”まで連作が続くが、残念なことに“香りの秘密”では
ストーリーが完結せず、読者は途中で放り出されてしまう。
“刺青”から始まる『江戸さわがせ / 御用盗事件』の結末を是非、
拝読したいものだ。

驚いたのは敵役である新撰組の近藤勇、土方歳三らの人物像描写。
当初、彼らは京の街を騒がす乱暴者の首魁としてのみ語られる。
ストーリーが進むにつれ、彼らの描写も深みを増し、
彼らも鞍馬天狗同様、正々堂々とした漢として語られるようになるのだが、
当初から『立派な男』として描写されていたわけではなかったのだなあ。
新撰組ファンの方々には恐縮だが、私の新撰組嫌いの源流は、
鞍馬天狗シリーズで刷り込まれた、偏ったイメージにあったのかも知れない。
READING PESOGIN
## 狙撃され、行方不明となった鞍馬天狗の安否やいかに ... ?!


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