### Recent UPDATE ###
### 24.Dec.2,011 ###
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REVIEW 10-037 |
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* 第3次世界大戦シリーズ * 原潜消滅す
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チャールズ・D・テイラー
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二見書房 二見文庫
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枕もとに放置していた古い文庫本を、十数年ぶりに紐解いた。
文庫本でありながら、本編だけで516ページに渡る大作。
再読を始めたとたんに後悔した。
軍事スリラー系の小説にはありがちだが、初期設定からして荒唐無稽。
国家組織によって愛国心を強烈に刷り込まれたソ連の青年が米国に潜入。
米国人として米国の高等教育を受け、米海軍に入隊。
家庭を得、遂には攻撃型原潜の艦長にまで登りつめる。
人も羨む栄達を遂げた彼のもとに、
『指揮下にある攻撃型原潜で、米海軍戦略ミサイル搭載原潜を撃沈せよ』
との指令がソ連から下る ...
確かに辻褄は合うかもしれないが、それにしても強引過ぎる。
以後のストーリーは単純明快でありながら、このページ数。
潜水艦乗員とその家族の心情が丁寧に描かれてはいるのだが、
あまりに懇切丁寧過ぎてストーリーが全く進まず、もどかしい。
本作品を軍事スリラー作品として楽しむには、あまりにもテンポが悪すぎる。
潜水艦乗員の置かれた特殊な日常環境に興味がおありなら別だが、
それ以外なら正直、お奨めは致しかねる ... といったところか、
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## とにかくテンポが悪い。
## 乗組員の心情描写は
## 丁寧なのだが、
## どちらかといえばクド過ぎる。
## 150ページ前後の小品を
## 無理やり500ページに
## 膨らましたような印象だ。
## ちょっと辛口過ぎる?
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REVIEW 10-037 |
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