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### 24.Dec.2,011 ###


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われはロボット
アイザック・アシモフ 早川書房
ハヤカワ文庫 SF535

昨年は、栗本薫女史の急逝に因り、女史の代表作である“グイン・サーガ”の
読破目指して、読み残し分にかかりっきりになった。
残念ながら読破は叶わず、本編だけでも、未読書がまだ10冊前後残っている。
それでも、半年強で“サーガ”の本編を18冊読み切ったのだから、
立派なものだと自画自賛しておこう。
“サーガ”の残りはおいおい読むとして、さすがに疲れた。
活字を追うのもおっくうになり、暫くは何も読む気になれなかった。
2ヶ月弱のブランクの後、リハビリのつもりで読み始めたのが本書である。
アイザック・アシモフの傑作を再読するのは何年ぶりだろう。
### 以下、本書のエピグラムより抜粋、引用 ###

ロボット工学の3原則
第1条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、 人間に危害を及ぼしてはならない。
第2条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。
ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りでない。
第3条
ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、
自己をまもらなければならない。
### 以上、本書のエピグラムより抜粋、引用 ###
(改行位置を変更させて頂きました)
言わずと知れた“ロボット工学3原則”。 その初出が本書であります。
自らもSF作家であり、アスタウンディング誌の編集長も務めていた
ジョン・W・キャンベルとアイザック・アシモフのミーティングの最中に生まれた、
この一見完璧で美しい3原則を、いかにして出し抜くか。
本書の読みどころもまさにそれ。
後の“鋼鉄都市”や“宇宙気流”等 のミステリー調では無いにしろ、読み応えは充分。
ロボット心理学の最高権威であるスーザン・キャルビン博士の口を借りて語られる
ロボット・クロニクルは、21世紀においても色あせるものでは無い。

特にお薦めは第1話の“ロビー”。
プリミティブな子守り専門ロボットと幼女の交歓を描いた作品。
限定的な機能しか持たず、喋ることも出来ないロボットの健気さと、
そんなロボットを慕う幼女のひたむきさは胸を打つ。
是非御一読を。
READING PESOGIN

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