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### 24.Dec.2,011 ###


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シャーロック・ホームズの宇宙戦争
マンリー・W・ウェルマン
& ウェイド・ウェルマン
東京創元社
創元推理文庫

本書の奥付に拠ると、初版の発行は1,980年6月27日。
私が入手したのは再版だが、それでも発行は同年の8月1日である。
なんということだろう。 30年近くも積みっぱなしの文庫本を今更紐解いている。
著者のマンリー・W・ウェルマンとウェイド・ウェルマンは父子だそうだが、
寡作な作家だったのか、本書を紐解いてもそれ以上の情報は無い。
わずかにエドモンド・ハミルトンの“キャプテン・フューチャー”シリーズの内、
“小惑星要塞を粉砕せよ!”の著者としてマンリー・W・ウェルマンの名が見受けられるが、
同一人物なのかどうかさえ定かでは無い。

時は1,902年。 所は英国ロンドン。 地球は未曾有の危機に陥っていた。
火星から発進したと思しき謎の物体が地表に落下。 そこから現れた異形の機械が
怪光線を発し、毒ガスを撒き散らしながら周囲を制圧。 宇宙人の地球侵略が始まったのだ。
そのロンドンに居合わせたのが、あの“シャーロック・ホームズ”と“チャレンジャー教授”。
彼らが地球の危機に如何に立ち向かっていったのか?

御存知 H.G.ウエルズの“宇宙戦争”と、その前日譚“水晶の卵”を下敷きに、
同時期にロンドンで活躍していたはずの、サー・アーサー・コナン・ドイルが生み出した
2大ヒーロー、“ホームズ”と“チャレンジャー教授”、そして“ワトソン医師”の
手記の形で再構成した意欲作。

私はホームズ・シリーズを読み込んだわけではないのでよく判らなかったが、
巻末の解説に拠るとシャーロッキアンも思わず唸る仕掛けもちりばめてあるようで、
“マラコット深海”や“毒ガス帯”、“失われた世界”等のチャレンジャー教授シリーズに
馴染まれた往年のSFファン以外のホームズ・ファンにもお奨め。
登場するホームズ、ワトソンのキャラクター描写に違和感はないが、
あのチャレンジャー教授の描写がいかにも“チャレンジャー教授”で、嬉しかった。

H.G.ウエルズの“宇宙戦争”となると、『古典』というよりも『カビの生えたクラッシック』といった、
いささか礼を失したイメージが強く、それが長年の積読の理由であったのだが、
正直もったいない事をしたと後悔しきりである。

## ハヤカワSF文庫版の“小惑星要塞を粉砕せよ!”、ウチの本棚にあったかなぁ ...
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