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### 24.Dec.2,011 ###


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山本五十六(上 / 下)
阿川 弘之 新潮社
新潮文庫

日本の文壇においては珍しいジャンルである『伝記文学』の傑作、と評して間違いなかろう。
本書(の原型)が発表されたのが昭和39年から同40年にかけての事であったそうだが、
旧日本海軍の伝説的英雄である山本提督を直接知る方々が御存命であったからこそ
成立した作品であったと思うし、同様の理由で問題まで起こした作品でもある。
(実際、名誉毀損の疑いで、御遺族から訴訟を起こされた由)

太平洋戦争劈頭、米国海軍の重要拠点であるハワイ州オワフ島の真珠湾基地を、
航空機による空襲で壊滅させた山本五十六大将に関しては、
これまで、いや、これからもさまざまな作品が発表されることであろうが、
伝説の聖将ではない、『人間』山本五十六を描いた点で、
本作品はそれらとは一線を画し続けることだろう。

本音を言えば、五十六大将にちょっぴり幻滅を感じたのも確かではあるが、
それでも、いや、それだからこそ本作品を読む価値は充分あると思う。
READING PESOGIN
## デイヴィッド・ハルバースタムの“ザ・コールデスト・ウインター”を読破した直後に
## 本書に手を出したのが悪かったようだ。 悪い作品では無いのだが、
## 少々印象が薄くなってしまい、勿体無い事をした。
##
## 著者の阿川さんは、さすがに元旧帝国海軍士官だけあって、
## 文章の端々からノスタルジックな薫りが立ち上がってくるような ...


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