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### 24.Dec.2,011 ###


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街道をゆく - 1
司馬 遼太郎 朝日新聞社

少々重たいノン・フィクションが2冊続いたので、
口直しに軽めのエッセイを ... と選んだ1冊。

本書は、『週間朝日』誌上に連載・発表されたエッセイを集めたもので、
連載第1回(昭和46年1月1日号)から第28号(同年7月9日号)を収録。

本書に納められている道は、滋賀の『湖西みち〜朽木街道』、
奈良の『山辺の道〜竹内街道』、東京の『甲州街道』、奈良の『葛城みち』、
山口の下関から島根の津和野/ 益田に至る『長州道』の五筋。
このうち、著者である司馬氏の故郷でもある、奈良の『竹内街道』の果て、
長尾村の北端の田のあぜから仰ぎ見る葛城山の威容
(淵田 美津夫・元海軍大佐のお墨付き)もいつか眺めてみたいものだが、
一番印象に残ったのはやはり、越前朝倉攻めに失敗した織田信長が退却時に、
僅かな供連れで辿ったという『朽木街道』であろう。
信長の朝倉攻めの負け戦と、苛烈なまでの退却戦(殿を務めたのが豊臣秀吉)は
知識としてあるものの、信長の退却路に関しては具体的なイメージが無かったので、
新鮮であった。
また、巻末の一篇、長州人・吉田稔麿(としまろ)のエピソードもなかなか捨てがたい。
山口の萩を訪れたのは、高校の修学旅行が最初で最後なのだが、
当時は幕末史に殆ど興味が無く、観るべきものを観てこなかったようなものだった。
今、思い出しても、惜しいことをしたものだ。
機会があればもう一度、萩、下関、山口、津和野あたりをさまよってみたいものだ。

それにしても、本書が編まれてから既に半世紀近くが過ぎてしまっている。
当時、著者が御覧になった風景も随分変わってしまった事だろうと思うと、
何やら妙な焦燥感に駆られてしまう。
READING PESOGIN
## 司馬 遼太郎氏の著作のうち、
## 主な長編は粗方読んだつもりだった。
## 残すは『空海の風景』、『箱根の坂』
## 『功名が辻』、『花神』、『菜の花の沖』
## 『翔ぶが如く』、『峠』 ...
## 調べてみると、
## 読みこぼした作品がまだまだある。
## 久しぶりにまた何か、
## 挑戦してみようか ...

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