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暁の脱出
栗本 薫 早川書房
ハヤカワ文庫 JA906

*** グイン・サーガ # 117 ***
グイン様御一行漫遊記・クム篇 - その9

前巻の巻末で決着が付いたかに見えた“グンド vs, ガンダル”の決戦は、
実は終わった訳ではなかった。

瀕死の重傷を負い、“グンド”こと“豹頭王グイン”の足下に倒れたガンダルは、
最後の逆襲の機会を伺っていた。 自らに残された最後の一撃で
グインの左肩を割ったものの、遂に止めを刺されるガンダル。
自らを倒した者と差し違えて果てる事で、永遠不滅の闘王の称号を得んとする、
その心意気は買うが、なにもそこまでしなくても ... とも思う。

そして再び闘技場に現れた“銀のマーロール”。 自らの出自を明らかにし、
同時にタイス伯爵タイ・ソンの不正・不品行をクムの首脳陣に直訴。
ローラことフロリーを水牢に落とした事でクムの大公タリクの怒りを買い、
タイ・ソンは失脚。 替わりに“銀のマーロール”がタイス伯爵位に就き、
クムは厄介者のタイ・ソンの追放に成功する。
このシナリオを書いたのは、実は“豹頭王グイン”であった。
かくして黄門様とその御一行は、地に蔓延る悪代官を倒し、
世直しの旅を続けるのであった。

ガンダルとの死闘の末にグンドも討ち死に、ローラは水牢に落とされて死亡。
ローラの息子は城内で行方不明のまま ... という事になって一応の決着も付き、
タイスからの脱出の最後の機会に賭ける豹頭王の一行。
タイスの地下水脈に潜入した一行の前に現れたのは ... 以下自粛。

“彼”が来るなら来たで、もっと早く豹頭王一向の前に現れていれば、
こんな苦労はしなくてもよかっただろうに ... それではストーリーが不完全燃焼か。
御都合主義と云われればそれまでだが、貴方だって
“ガンダル対グイン 地上最大の決戦”は読みたかったでしょ?
... と云われてしまえば、そのとおりではある。

数え方にも拠るが、9巻にも及んだ“クム篇”も終わり、次巻はインターミッションか。
永かった ...
## おお、パロはもうすぐそこじゃ ... !


*** 追記 ***
タイスから脱出するグイン一行のうち、可哀相なのはマリウス君。
コングラス城主ドルリアン・カーディシュ伯爵から頂いた、
折角のキタラを諦める羽目に ...
ドルリアン伯爵の心尽くしであったあのキタラを、
彼が取り戻すエピソードを読んでみたかったが、
それももう、叶わない。 無念。
READING PESOGIN

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