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タイスの魔剣士
栗本 薫 早川書房
ハヤカワ文庫

*** グイン・サーガ # 111 ***
グイン様御一行漫遊記・クム篇 - その3

カバーを飾るのは見慣れないキャラクター。
銀に輝く鎧に身を固め、銀に輝くレイピアを右手に捧げ、
銀に輝く長い髪を風になびかせ、銀に輝くイリスを背に宙に浮かんでいる。
彼こそは“タイスの4剣士”のひとり、“白のマーロール”。

さて、第111巻。
クムの大都市“タイス”の酷薄な支配者“タイ・ソン伯爵”に腕っ節を見込まれてしまい、
タイスの水神祭りに合わせて挙行される武闘大会への出場を強要されたグイン一行。
グイン、リギア、スイランの3人は、肩慣らしの試合に出場させられる。
適当なところでわざと負け、本大会への出場を回避する目論見だったが、
武闘の目利きたちの眼前ではそうもいかず、
遂にはクムの英雄ガンダル戦用にと温存されていた
“タイスの4剣士”との試合を強いられる“旅芸人グント”こと“豹頭王グイン”。
いよいよのっぴきならない事態に陥ってしまった一行である。

“快楽の都・タイス、夜の観光案内篇”であった前巻とは打って変わって、
“K-1 グラン・プリ”、いや“天下一武闘会・イン・タイス/前哨戦”といった趣。
『タイス観光案内篇』であった第109巻、第110巻は正直ダレて、
読むのに熱が入らなかったが、この巻は違った。 一晩で読了してしまった。
全編これ緊張感漂う武闘会描写で、真剣勝負あり、闘技士どうしの熱い友情あり。
巻末の著者“あとがき”で述べられているとおり、『少年ジャンプ』な一篇であった。
そして“パロ”はまだまだ遠いのである。

ただ、ここでも作者の趣味である“やおい”がチラっと顔を出すのには閉口する。
ストーリー上やむを得ない展開であることは理解できるが、
声を大にして叫ぼう。
## やっぱり“お耽美”はイヤ〜っ!!
以下余談。
巻末に登場する人間離れしたキャラクター、“白のマーロール”。
作中のほのめかしから推察するに、彼の正体はきっと、
闇の司祭グラチウスが飼っていた淫魔“ユリウス”の同属なのだろう。
次巻の冒頭で“豹頭王グイン”対“白のマーロール”戦の決着は付くことだろうが、
“マーロール”が以降、どうストーリーに絡んでくるか、楽しみである。
READING PESOGIN

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