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### 26.Dec.2,011 ###

	REVIEW 09-012

敵は海賊・短篇版
神林　長平	早川書房 ハヤカワ文庫

『敵は海賊』シリーズ初の短篇集。 敵は海賊 わが名はジュディ、文句あるか ヨウメイの神　（この１篇のみ書き下ろし） 被書空間 以上の４篇を収録。 書き下ろしの『ヨウメイの神』以外は SFマガジン誌等で既読だったので、 極めてコストパフォーマンスの悪い１冊であった。 　（雑誌のバックナンバーをひっくり返す手間は省けることになったが） 本書の白眉はやはり『ヨウメイの神』であろう。 後に宇宙海賊王になる若きツザキ・ヨウメイが、彼から分離した良心、いや、 彼にとっては『神』である白猫クラーラとの出会いを描いたこの１篇、 『敵は海賊』シリーズのファンなら必読であろう。 ただ、“敵は海賊・海賊版”で描かれた、ヨウメイとクラーラとの 出会いの件とは矛盾しているのが気なるところではある。 “海賊版”の描写はあくまで海賊版であり、 こちらの描写が正規版ということなのだろうか ... ？ また、新作がこの短い１篇のみというのは書籍の分量としていかがなものか。 早川書房の猛省を望む。
*** お断り ***
宇宙海賊王ツザキ・ヨウメイの『ヨウ』の字が、 どういう理由か不明ですが、うまくハンドリングできません。 　（ASCII code で『ヨウ』の字を直に指定すれば良いのかも知れませんが） 止む無くカタカナ表記とさせて頂きました。

	REVIEW 09-012

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