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### 26.Dec.2,011 ###
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REVIEW 09-008 |
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*** グイン・サーガ # 107 ***
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“ヤーンの朝(# 103)”あたりから始まった『風の騎士』編も一応の完結を迎え、
パロへの旅路を辿るグイン一行の漫遊記にストーリーが進む ... 前段階。
僭王イシュトヴァーンが不在のゴーラ、内乱に姿を借りたキタイの侵略で疲弊したパロ、
そして豹頭王に失踪されたケイロニアの内情が解説される一編であり、
次なるストーリーとの間に挟まれたインターミッションといった趣の作品であった。
中原の主要3国はいずれも内憂外患といったありさまではあったが、
どの国にも曙光が射し始めた、といったところか。
まだまだ国の体を成していないゴーラを預かるカメロン、
キタイに蹂躙され、疲弊しきったパロを独りできりもりするリンダ、
国家的には一番損失が少なかったものの、国の要である王に失踪されたアキレウス。
誰もが深い憂慮に沈んでいるが、グイン一行がパロに辿り着いた時、
また中原が動き出すのだろう。
本編の白眉はやはり、パロの現女王リンダと廃王レムスの久々の会見のくだりであろう。
ノスフェラスでカル・モル憑きとなり、キタイの手先にされて国を滅ぼしたレムスが
本編に再登場したのはいつ以来だろう。
(以下、引用)
『豹頭王は無事でいる。 − そして、ほどなく近くにやってくるだろう。
..... そのとき、またあらたな時代が始まる。
− 廃王は長い時を隔ててふたたび王の冠を額にいただくだろう。
だがそのときには − だがそのときにはパロスの支配は夜の時代を迎え、そして
− そして最後のサーガがはじまるだろう ..... 闇の王子と光の王子がたたかい、
どちらが勝ちをしめるかにより、最後のサーガは暗黒のサーガとなるか、
光のサーガとなるかが定まるだろう。 − 吟遊詩人に注意せねばならぬ。
− 彼は重要な鍵にほかならぬ。 ..... 彼は、光と闇とをそのからだで結ぶ。
− 光の王子を守ってやるがいい − それはあるいはパロスをさいごの
滅亡の災いから守ってくれよう ..... 』
(以上、引用終わり。 改行位置を変更させて頂きました)
と、リンダに久々の御託宣が下り、この長いサーガにもついに終幕への予感が語られたのだが、
肝心の最終話を読む事が叶わないのが辛い。
『光の王子』とはスーティ、『闇の王子』とはドリアン、『吟遊詩人』とはマリウスで、
『光と闇とをそのからだで結ぶ』とは、マリウスがスーティの母親と良い仲になってしまう、
... ということだろうか。 『スーティの母親』ファンとしては『ちょっと待ったぁっ!』と
ひとこと叫ばせて頂きたい展開ではあるが。
事実上の最終巻(第129巻?)まで、残すところ、あと22巻。
どこまでストーリーが展開されたのか、そしてどこで読み手が放り出されるのか、
不安であり楽しみでもある。
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REVIEW 09-008 |
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