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### 26.Dec.2,011 ###


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湖畔のマリニア
栗本 薫 早川書房
ハヤカワ文庫

*** グイン・サーガ # 104 ***
カバー絵は久しぶりのほのぼの系。
小船の上に一組のカップル。
船を操るハンサムな優男の傍らに、清楚だが幸薄そうな美女が寄り添っている。
前巻の“ヤーンの朝”から『赤い街道』の旅を始めたマリウスとグインのコンビが
偶然ころがりこんだ、自由開拓民部落の小屋の主であるこの若い女性の正体こそ、
永らく安否不明だった『あの』ひとであった。

清楚さだけが取り柄だった人なのかもしれないが、囚われの身の女主人に付き従い、
敵国の離宮で嬲りものにされる運命の女主人にかいがいしく尽くす姿には、
芯の強さも垣間見えた。
ストーリー上で安否不明になって以来、その後の消息が知りたくてやきもきしていたので、
元気な彼女の再登場はファンとして嬉しい限り。
中原の微妙なパワー・バランスを揺るがしかねない『爆弾(?)』も付いてきて、
今後の展開が楽しみではあるが ... 著者の死去に伴い、未完で終わる運命の物語のうち、
どこまでストーリーが進むのだろう。

それにしてもマリウス君、生業とはいえお盛んで、羨ましい。
ただ、この調子では、そのうち中原じゅうから御落胤がうじゃうじゃ現れて、
えらいことになりそうな ... 。 グインと義兄弟になった上に、
イシュトヴァーンとも兄弟の契りを交わすようなマネだけはして欲しくないと、
切望する次第である。
READING PESOGIN

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