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### 27.Dec.2,011 ###


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新宇宙大作戦
ヴァルカン大使スポック
ジェリ・テイラー 早川書房
ハヤカワSF文庫

Star Trek はお好きだろうか。 かく申す私はといえば、
カーク船長、スポック副長、そしてマッコイ船医のトリオが活躍する
“宇宙版水戸黄門” ... いやいや“TOS : The Orignal Story”への愛着が
強すぎるのか、TOSの続編である“TNG : The Next Generation”に馴染めず、
せっかく放映されたTNGのTVシリーズもほとんど観ず終いであった。
 (正直、ちょっぴり後悔している)

さて、本書はTNGのTVシリーズの1エピソード“Unification”を
ノヴェライズしたものである。 巻末の解説によると、
著者ジェリ・テイラーは脚本家としてTNGの製作に参加後、
TVシリーズ“Star Trek : Deep Space Nine”と“Star Trek : Voyager”に
脚本家のチーフとして参加したとのこと。
TVの脚本家としては超一流だと思うが、小説家としてはどうだろうか?

残念ながら懸念は的中したようだ。
小説にしては、各キャラクターの内面の掘り下げ方が不足しているように
感じられた。 ネタバレになりそうなので省略するが、まず、
設定から無理が感じられる。 “TOS”のキャラクターを“TNG”に
ゲスト出演させる手段としては良く考えられているとは思うが、
いかにも力技という感が払拭できないし、エンディングにも納得できない。

スポックは地球人とバルカン人とのハーフである。
純粋なバルカン人として認めてもらえない彼のコンプレックスや悲しみ、
外交官として偉大過ぎる父親との葛藤、焦りといったものを
もう少し深く描いてみても良かったのではなかろうか。
TV番組の脚本のノヴェライズとしては良くできているが、
小説としては物足りないといったところか。


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