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### 27.Dec.2,011 ###


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北極基地 / 潜航作戦
アリステア・マクリーン 早川書房
早川文庫NV

MGM 映画、邦題 “北極の基地 / 潜航大作戦”の原作。
アリステア・マクリーンの作品を読むのは久しぶり。
本書を再読するのも数年ぶりである。
夏の暑い盛りにすこしでも涼しくなればと、北極の話を読みだしたのだが、
こればっかりはどうにもならなかった。 (当たり前だ)
本当は『女王陛下のユリシーズ号』を読もうとしたものの、
なんとなくこちらを読み出してしまった。
次の機会には、そちらを再読しようと思う。

北極圏の流氷上に設営された、アメリカの気象観測基地“ゼブラ”に
大火災発生。 荒れ狂うブリザードのため、空路や海上からの救助は不可能。
そのため、たまたま演習で英国を訪れていた米海軍の原子力潜水艦
“ドルフィン”号が、海中から“ゼブラ”に接近し、
救難活動を行うことになった。 その途上、“ドルフィン”号は
数々の妨害工作に遭遇する。 誰が、何の目的で ... ?
果たして“ドルフィン”号は、無事任務を達成できるのか ... という、
お馴染みのストーリー。

『あとがき』に拠ると、本書が日本に紹介されたのは昭和41年のことで、
当時の日本にはまだ、海洋冒険小説というジャンルが未確立であり、
本書がその嚆矢となったそうだ。
ちなみに冒険小説の雄、アリステア・マクリーンの作品群のうち、
最初に翻訳された作品が本書でもあったとか。
(初訳時の邦題は『原子力潜水艦ドルフィン』。
講談社ウイークエンド・ブックス・シリーズに収録)
これは本書の責任ではないが、本書が発表された当時と比べ、
世界情勢が大きく変わってしまったためか、やや古めかしさは否めない。
だが、北極のブリザードの描写など、なかなか読み応えがある。
(ただ、いまどき『氷嵐』は無いだろう ...
 用語だけでも今風にアップデートしてもらえないものか)
アリステア・マクリーンの入門に最適な一冊であろう。


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