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### 27.Dec.2,011 ###


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キャプテン・フューチャー・シリーズ
挑戦! 嵐の海底都市
エドモンド・ハミルトン 早川書房
早川文庫SF

### ハヤカワ SF フェア '95 対象作品 ###
『西部劇』を俗に『ホース・オペラ』と呼ぶらしい。
銃で武装した主人公達が馬(ホース)に跨って西部の荒野を疾駆することからだが、
『スペース・オペラ』とは、“銃”を“光線銃やライト・セイバー”に、
“馬”を“宇宙船”に、“西部の荒野”を“宇宙”に置き換えたものである。
つまりスペース・オペラとは、舞台を宇宙に移した『西部劇』なのだ。
そのスペース・オペラの古典、キャプテン・フューチャー・シリーズ。
早川書房創業50周年を記念して復刊されたものらしく、
現在では入手困難かもしれない。

月面のチコ・クレーターに居を構え、
太陽系の危機に敢然と立ち向かう四人のフューチャーメン、
− 『科学の魔術師』キャプテン・フューチャーことカーティス・ニュートン、
  『生きている脳』サイモン・ライト教授、ロボットのグラッグ、
  合成人間(アンドロイド)オットー − の活躍を描く、お馴染みのシリーズ。

その昔、NHKでアニメ化もされたので、ご存知の方も多いことだろう。
1,940年に発表された作品であるため、作中に描かれた宇宙感は古臭い。
宇宙はエーテルに満ちており、太陽系の諸惑星には
原住生命体が息づいていたりするのだが、だからといって
それが作品の価値を落としているわけでは無い。
現在では非科学的とさえ見える設定を『瑣末な事』として
吹き飛ばしてしまう程、作品世界が魅力に満ちているのだ。
スケールの大きさでは E.E.スミスの『レンズマン』シリーズには及ばないものの、
日本のTV番組『キャプテン・ウルトラ』のイメージ・ソースともなったシリーズである。
機会があったら是非御一読をお薦めしたい。
このシリーズは、私が SF を読み出すきっかけとなった作品群だけに、
思い入れもひとしおである事を最後に付け加えておく。

*** 追記 ***
近年、東京創元社から、シリーズ全巻が復刻されました。

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