Bookshelf TOP MENU に戻る
Bookshelf 07年 TOPPAGE に戻る

### Recent UPDATED ###
### 27.Dec.2,011 ###


REVIEW 07-013 へ REVIEW 07-014 REVIEW 07-015 へ

砂漠の機密空域
デイル・ブラウン 二見書房

まさか『オールド・ドッグ出撃せよ』シリーズの続編が、
二見書房から訳出されていたとは ...
早川書房ばかりチェックしていたので、これは盲点だった。

『オールド・ドッグ出撃せよ』から『戦闘機チーターの追撃』
(いずれも早川書房刊) に至る一連の作品の後日談、
といった趣の“ドリームランド”シリーズ、第1作。

潜入したロシア人スパイに、最新鋭戦闘機を乗り逃げされる
(『戦闘機チーターの追撃』参照) といった、前代未聞の不祥事に揺れる
アメリカ空軍ハイテクノロジー航空宇宙兵器センター
(略称 HAWC ; 通称 “ドリームランド”)。
その責任を問われ、前シリーズでお馴染みの幹部連はあらかた、
退役したり転属を余儀なくされている。
そればかりか“ドリームランド”の存続さえ危ぶまれているのだ。
意気消沈の職員達。 そんな状況の下、新しい司令官が着任してきた。
階級は中佐。 前任の司令官が中将だったことから、
中央が“ドリームランド”を軽視していることは明らかである。
新司令の着任と相前後して、中東で事件が発生する。
世界平和と自身の存続を賭け、“ドリームランド”は活動を再開した ...
お馴染みの B-52 改造型空中戦艦メガフォートレスを始め、
事故で下半身不随となったパイロットが操る無人戦闘機
UM/F-3 フライトホーク等、ハイテク兵器のオンパレード。
 (しかし、たとえハイテク武装を施されている設定とはいえ、
  たかが B-52 と空中戦を行って負けてしまう Mig-29 の立場は ...)
いかにもアメリカ・ライクな、有る意味時代錯誤ともとれるストーリーだが、
航空冒険小説としては文句無しの完成度を誇り、
その手の好事家には文句なしにお勧めできる。

それにしても、航空冒険小説というジャンルも随分、身近になったものだ。
その昔であればこのジャンルは、マーティン・ケイディンの作品くらいしか
無かったものだが。 その分、玉石混交といった状況にある現在は、
喜ぶべきか悲しむべきなのか ... ?

言うまでも無く、本書は“玉”に属す作品なのでご安心を。

REVIEW 07-013 へ REVIEW 07-014 REVIEW 07-015 へ

Bookshelf 07年 TOPPAGE に戻る
Bookshelf TOP MENU に戻る