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### 27.Dec.2,011 ###

	REVIEW 07-006

少女と武者人形
山田　正紀	集英社文庫

『オール讀物』誌1,981年３月号から翌年の２月号に 連載された短篇をまとめたオムニバス。 収録された１２篇のタイトルは以下のとおり。 友達はどこにいる 回転扉 ネコのいる風景 撃たれる男 ねじおじ 少女と武者人形 カトマンズ・ラプソディ 遭難 泣かない子供は 壁の音 ホテルでシャワーを ラスト・オーダー 編集部から『原稿用紙３０枚』、『可能な限りSFは避ける』 との制約を課せられた以外、作家の自由裁量に任された作品群。　 作者の言葉を借りれば、「テーマもジャンルも定めず」に描かれた、 奇妙な味わいの作品が並んでいます。 最初の四篇あたりまでは、手馴れた感じの ショート・ショートのようなアイデア・ストーリーが続きましたので、 最後までこの手の作品が続くのかと思いきや、 話数が進むにつれて著者特有の奔放なイマジネーションが 滲み出すような作品が楽しめます。 特にサイコ・スリラー調の『ネコのいる風景』、 ファンタジックな『少女と武者人形』、伝奇めいた『壁の音』、 ほのぼのとした味わいに救われる想いの『ラスト・オーダー』がお薦めです。 原稿用紙３０枚でまとめられた作品はどれも読みやすく、 短い時間で楽しむ事ができ、その点からもお薦め 最後の作品のタイトルが“ラスト・オーダー”なのもお洒落です。

	REVIEW 07-006

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