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### Recent UPDATE ###
### 04.Oct.2,016 ###


タミヤ 1/48 KV-2 GIGANT

衝動買いした中古キット。
ダイキャスト製シャーシ
イザという時、鈍器になりそう
witch img.

TAMIYA 1/48 KV-2 pkg. img.
*** 1/48 SCALE Military Miniature Series No.38 ***

ここのところ、仮組みしたまま放置したキットや、他人様のお手つきキットを
成仏(?)させてやろうと足掻いてきた。 放置キットに再着手する時は、
モチベーションの維持がなかなか難しい。 たいていはまた、放置する事になりがちだ。
かくしてまた、『お手つきキット』が増えてゆく。 
その『未完山』を仰いでいたら、まっさらなキットが妙に作りたくなった。
たまたま訪ねた中古品店で、偶然見かけたタミヤの1/48AFVキットを衝動買い。
近所の量販店なら新品が定価の2割引で買えるのにもかかわらず、
現行商品の中古が定価の3割引という価格設定は如何なものかと思ったが、
中古だからこそ気軽に作る気になるかも知れないと思い直した。
未完成病のリハビリを兼ねて、突貫工事で製作してみよう。


製作


砲塔のシルエットが特徴的なソ連のKV-2の模型は、いつか作りたいと思っていた。
KV-1/KV-2のキットは、タミヤとトランペッターの製品がまず思い浮かぶが、
どちらも1/35で、現在の私には少々持て余す大きさだ。
製作経験が無いタミヤの1/48シリーズは、サイズも手ごろに見えたので、
挑戦してみる事にした。

流石に天下のタミヤの製品だけあって、組立作業はあまりストレスを感じず、捗る。
製作手順は良く練られているようで、説明書の指示どおり辿れば間違いが無い。
(STEP 11 のワイヤー・ロープ以外は ... この件、後述)
パーツの勘合は良好で、ゲート痕の処理さえ誤らなければ組立は容易
特徴的な砲塔は、基本的に6つのパーツの箱組みなのだが、パテは全く不要であった。
パテは、転輪等のゲート痕処理後の養生と、砲身の継目処理に使ったくらいだ。

ただ、やはり1/35に慣れた身には戸惑うポイントもあった。
まず、ダイキャスト製のハルが重い
同業他社、特に大陸系の新興メーカーによる露骨なコピーを警戒して、
コピーが困難なダイキャスト・パーツを採用したとも聞き及ぶが、
この重量ではパーツの取りまわしがなかなか厄介である。
ダイキャスト・パーツにはプラスチック用接着剤が効かないので、
瞬間接着剤のお世話にならないと転輪等がハルに接着できないのも面倒
当然だが、1/35と比べて個々のパーツが小さくて繊細なので、
パーツの加工、とりわけゲート痕の処理時には結構気を使う
押出しピンの痕が見受けられるパーツもある。
個々のパーツが小さい分、相対的に押出しピン痕が大きいので、
目立つものだけでも処理したほうが良いだろう。
また、パーツの肉厚も薄いので、力の加わる部分
例えば砲の基部パーツ等の接着は確実に

ディティール・アップ工作は不要だろう。 AFVに関する資料は持ち合わせが無いので、
ディティール・アップ・ポイントの判断が付かないのが正直なところではあるが。
唯一の追加工作として、6本ある砲塔の手すりを0.3mmの真鍮線に置換した。
強度との兼ね合いから、真鍮線の直径は0.4mm程度が望ましいと思うが、切らしていた。
サーフェイサーを噴いて、塗料を乗せればちょうど良い太さになる ... といいなあ。

履帯は1/35キットでお馴染みのベルト式ではなく、おおまかなブロック毎に成型された
プラスチック製パーツを連結する方式。 慣れない方式だったので、少々手間取った。
接着したての履帯のブロックは不安定だったので、履帯の組立は一晩に片側のみに止めた。
左右両側の組立に二晩かかる結果になったが、履帯製作時の事故は回避できたと思う。
事前の調整が甘かったのか、不自然なほど不連続な有り様になってしまった。

失敗したのはワイヤー・ロープ。 同梱の糸をロープの先端パーツに接着するのだが、
糸の端がほつれて太くなり、うまく接着できなかった。
瞬間接着剤をしみ込ませたりして、端の太さを調整しようと試みたが、失敗。
糸の代わりに極細のワイヤーがあればそれに越したことは無いのだが、
材料を探しに行くのが面倒になり、ワイヤー・ロープは省略する事にした。
説明書の指示順番どおり、ワイヤー・ロープの組立に先立って、
ワイヤー・ロープを車体に固定するパーツ(P/N : B32)を先に車体に接着したら、
ロープの先端が結合できなくなったのも省略理由の一つ。
繊細な部品であるP/N : B32の接着強度を稼ぐため、無理な位置に接着した事もあるが、
やはりワイヤー・ロープの組立を行ってからP/N : B32を車体に接着するべきだろう。

エンジン・デッキ上の排気管(P/N : B19, B20)と折りたたまれたカバー?(P/N : B6)
以外の全てのパーツを接着したら、組立は終了。 塗装作業に移る。


塗装


塗装箇所 使用塗料 備考
下地処理 タミヤ・ファインサーフェイサー(グレー)
缶スプレーをそのまま吹きつけ
シャーシ & 砲塔
外装(下塗り)
Mr.Color #33
艶消し黒
エアブラシで塗装
シャーシ & 砲塔
外装(上塗り)
Mr.Color #136
ロシアン・グリーン(2)
履帯、排気管 Mr.Color #28
黒鉄色
リターン・ローラー・リム Mr.Color #137
タイヤ・ブラック
正体不明の車外装備品 Mr.Color #41
レッド・ブラウン
エアブラシで塗装
枠は Mr.Color #136
ロシアン・グリーン(2)で塗り分け
機銃 Mr.Color #28
黒鉄色
筆塗り
前照灯 Mr.Color #8
シルバー
スミ入れ
ウオッシング
タミヤ・エナメル
XF-1
艶消し黒
ペトロール油で溶いた塗料を
パネルラインやモールドの凹部分に注し、
一晩乾燥させた後、
ペトロール油を含ませた綿棒で拭き取り

塗装作業に先立ち、タミヤ“ファイン・サーフェイサー L”(缶スプレー)を軽く吹きつけて
下地処理。 塗装面に喰い込んだゴミや糸屑を水ペーパー等で削り出し、
再びサーフェイサーを吹きつけ。

下塗りは“なんたらの一つ覚え”で、Mr.Color #33 艶消し黒 をエアブラシで吹きつけ。
価格が改定され、ビンの蓋がフラットになった物を使ったが、妙に発色が悪いような気がする。
発色、というよりは、塗料の定着が芳しくないような。 溶剤による希釈をし過ぎているのか?
従来の Mr.Color とは微妙に使い勝手が異なるようで、慣れるのに時間がかかりそう。

当然のことながら、タミヤの塗装指示は自社製品でのみ表記されているため、
他社製塗料に慣れた身にはとても判り辛い。 当時のソ連のAFVの塗装色すら
知識が無いので、Mr.Color のラベル表記に従い、WWII ソ連後期戦車色である
#136 ロシアン・グリーン(2)を瓶生で塗ることにした。
以前、タミヤ 1/35 T-62 を塗装したとき、妙に懲りすぎて、
同じ Mr.Color #136 に白を混色したもの等で塗装したら、
『ソ連の戦車がそんなに鮮やかな緑色のわけがないっ!』との有り難い叱責の御言葉を
賜ってしまった。 その先例に懲り、今回は瓶生で塗装することにした次第。
Mr.Color #33 の上に重ねた #136 は、少々濁った感じにはなったが、
ホントにこんな色でよいのか、疑問は払拭できない。

参考資料の持ち合わせが無いので断定はできないが、
大戦時のソ連ではゴムが不足していたのか、工程簡略化の影響か、
ロード・ホイールやアイドラー・ホイールのリムにはゴムが被せて無いようだ。
少々物足りないような気もするが、納得するしかない。
上部リターン・ローラーにのみゴムが嵌めてあるらしいので、
Mr.Color #137 タイヤ・ブラックをエアブラシで噴きつけ。

車体上面に在る排気管(?)は、条件反射的に Mr.Color #28 黒鉄色で塗ってしまった。
事後、説明書を確認したところ、“タミヤカラー XF64 レッドブラウン”が指定されていた。
気が付かなかった事にしよう ...

各部をエアブラシで塗装後、砲身を砲塔に、排気管を車体に接着して最終組立は終了。
筆で機銃を Mr.Color #28 黒鉄色に、ライトを Mr.Color #8 シルバーに塗装。
はみ出た部分は車体色でタッチアップ。

デカールには GSI クレオスの Mr.マークソフターを使用。
塗布した直後、デカールのフィルムがシワシワになって心配したが、
一晩養生したらシワは消えていた。
デカールはしっかり定着したようだが、余白がシルバリングを起こしてしまった。
2昼夜放置して乾燥させ、デカールの周りに残った Mr.マークソフターの染みを、
湿らせた日本手拭いで拭き取った後、Mr.Color # 187
“艶消しスーパークリアー UV カット”でオーバーコート。
デカールのシルバリングは軽減されたものの、完全なリカバリーには至らなかった。

墨入れ / ウオッシングのつもりで、ペトロール油で希釈したタミヤ・エナメル XF-1
艶消し黒をパネル・ラインやモールドの凹部分に筆で流し込んだ。
一昼夜放置して乾燥させ、ペトロール油を沁み込ませた綿棒で余分を拭き取り。
墨入れに使う塗料の適量がまだ把握できず、またも注しすぎて、拭き取りに泣く。
表面を綿棒で擦り過ぎて、艶消しクリアでコートしたにも係わらず、
ところどころテカってしまうは、拭き取り切れなかった塗料のシミが残るはで、
ただ汚らしいだけの仕上がりになってしまった。
墨入れ作業にどれほどの効果があったのか確かめたくて、
ロード・ホイールだけはわざと墨入れ / 拭き取り作業を行わず。
確かに墨入れを行ったほうが実感が出るが、やはり塗料を注し過ぎている事も確認できた。
気が向いたら、ロード・ホイールも墨入れ処置をしてやろうと思う。
いつになるかは不明だが ...
Assembled img - I
Assembled img - II
Assembled img - III
Assembled img - IV
Assembled img - V
Assembled img - VI
Assembled img - VII
汚れたAFVは確かにリアルだが、あまり好みではないので、
途中まで工場出荷直後の状態で仕上げようと思っていた。
砲塔部分等はやや汚れた状態であるにもかかわらず、
一番汚れているはずのホイールや履帯がピカピカで、
車体の上下の仕上がり具合がアンバランスなのは、
製作方針のブレの結果であり、今後の反省点でもある。


参考資料 (順不同)


キットの説明書以外、特に無し

馴染み深い 1/35 や 1/72、1/76 とも違う微妙なスケール。 それが 1/48。
このスケールの AFV は初めてだったので、勝手の違いにいささか面食らった部分もあるが、
大きさが手ごろで場所を取らず、量産やビネット製作に適したシリーズだと思う。
最大のネックは、ダイキャスト製シャーシの重さと強気の価格設定だなあ。


タミヤ 1/48 KV-2 GIGANT

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