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### Recent UPDATE ###
### 22.Mar.2,012 ###


タミヤ-イタレリ 1/72 F-117A STEALTH

ディティールは甘いが、
プロポーションは悪くない。
ハセガワかイタレリか ...
それは貴方のお好み次第
witch img.

*** タミヤ 1/72 ウォーバード・コレクション No.03 ***
米空軍が F-117の実機を初公開したのが、1,990年4月21日のことだったそうだが、
  (モデルアート2,000年3月号 P.49 、並びに
   タミヤ / イタレリ版キット・インストラクションの解説項参照)
本キットがリリースされたのが同年の後半のことらしい。
実機の初公開直後という、決して参考資料が豊富とは言えない時期に
登場した割りにはプロポーションは良好で、入手が容易だったこともあり、
ハセガワのニューキットが登場するまで F-117 の定番キットとして君臨した。
他に1/72のキットとしては、翌 '91年にリリースされたアカデミーと、
'92年リリースのハンブロール(エアフィックス / エレール)のキットがあったようだが、
こちらの地方ではどちらもあまり見かける機会に恵まれなかった。

今回製作するキットは、タミヤから“ウォーバード・コレクション”シリーズとして
販売されている物を用いました。 イタレリのF-19と平行製作であります。
外観も塗装もシンプルで、製作作業も楽そうにみえますが、
事後変形のおかげで結構、難儀しました。 


製 作


先に『プロポーションは良好』と記したが、リリースを急いだ弊害か、
細部リサーチの甘さは否めない。

最大の誤りは爆弾槽(扉の開き方)である。
キットの爆弾槽は機体下面の中央部分にひとつきりで、
爆弾槽扉のヒンジは爆弾槽の外側の縁にあり、
左右に別れた爆弾槽扉はそれぞれ外側に開く
との解釈で模型化されているが、実機は逆である。
実機の爆弾槽は左右に別れている。
つまり、模型では左右一体で表現されている爆弾槽の中央に
仕切り板状のものがある、と考えて貰えば良い。
この仕切り板の縁に爆弾槽扉のヒンジがあって、爆弾槽扉は内側に開くのだ。

キットでは爆弾槽中央の仕切りが省略されているので、自作するか、
爆弾槽扉を閉めるか、正確を期するなら選択する必要がある。
致命的なエラーはこれだけだろう。

その他の注意点としては、

1、エアインティークのメッシュ部分(P/N : A8, A9)と胴体の間に生じる
  隙間が目立つので、プラ板の切れ端を埋め込んだりして塞ぐ。

2、射出座席を水平にセットする為、コックピットの床部分にある
  押出しピン痕を可能な限り削ると良い。
  また、バスタブ式のコックピットは胴体にイモ付けで不安定なので、
  瞬間接着剤やエポキシ樹脂系接着剤を使って確実に接着しておく。

3、コックピットの下面が胴体下面と干渉し、機首部分に隙間が生じる。
  胴体下面の内側、首脚収納庫の車輪格納部の半球形突出部分を、
  現物合わせで穴が開かない程度に削る。

4、説明書に指定は無いが、念の為、機首に錘を入れておく。

5、言うまでも無く、機体は直線で囲まれたシンプルなフォルムなので、歪むと目立つ。
  各エッジ、特に主翼前縁のラインは波打たないように留意すること。
  胴体下面の主翼前縁のパネル・ライン(凸)は
  胴体上下接着時の整形作業時に消えがちなので、
  このラインだけでも事前に彫っておくと楽。

これくらいだろうか。 どれも基本的なものばかりではある。
仮組みを行って以来、長らく放置した報いか、機体下面パーツが軽く反っていたり、
エッジが波打っていたりで、機体上下パーツの接着、整形作業には少々手を焼いた。
瞬間接着剤等を多用して強引に接着し、隙間にはパテを擦り込み、
力任せに削り合わせたものだから、肉厚が不均一になり、
表面処理を行う度にエッジに穴が開く。
開いた穴にパテを盛ったり、瞬間接着剤を注したりしたが、
修正する度に別のところに穴が開き ... といった具合の無限ループ。
開いた穴をナイフで拡げ、隙間にポリパテを摺り込み、整形。
このルーチン・ワークを何度繰り返したことだろう。 その結果、
胴体下面、主翼前縁のパネル・ラインもあらかた消えてしまった。
このラインだけでも事前に彫っておくべきだった。

あと、爆弾槽扉を閉める場合は、扉パーツ(P/N : A19)が反り易いので、
胴体に接着する前に補強しておくと良い。 私の場合、爆弾槽扉の裏側に
3mmプラ角棒を2本接着して補強したのだが、扉が波打ってしまい、
見苦しい出来となってしまった。
*** 教訓 : 事後変形する前に模型は作ろう ***


塗 装


塗装箇所 使用塗料 備考
コックピット内部 Mr.Color #13
“ニュートラル・グレイ”
コックピットの縁枠はMr. Color #33“艶消し黒”で塗装。
その後、実機は“グレイ”で塗装されていることに
気がついたが、修正が面倒になり、そのまま放置。
アンチグレア・パネル Mr. Color #33
“艶消し黒”
計器盤 Mr.Color #13
“ニュートラル・グレイ”
サイド・コンソールはMr. Color #33“艶消し黒”
機体表面 Mr. Color #92
“セミグロス・ブラック”
Mr.Color #328“ブルー FS15050”で
エッジを塗装後、半艶黒を塗り重ね。
実機は“艶消し黒”だろうが、
模型的な演出を考えて、あえて“半艶”で。
エンジン・ノズル
脚庫・脚柱
脚ドア内側
タイヤ・ホイール
Mr. Color #1
“ホワイト”
脚柱のショック・ストラット部分はMr. Color #8“シルバー”
スミ入れ
ウオッシング

塗装はすっきりと仕上げたいので、下塗りはグレーなどを吹いて終わりにしたいのだが、
エッジの処理にポリパテまで使った関係上、今回はサーフェイサーをスプレーする事にした。
本来ならばGSI クレオスの“Mr. サーフェイサー 1,000”あたりをエアブラシで
吹き付けるべきなのだが、面倒になり、タミヤ“ファインサーフェイサー”(缶スプレー)を
そのまま吹き付けて下地処理。 つい吹き過ぎて、下地がぼったりとしてしまった。

サーフェイサーを吹き付けた後、表面を水ペーパーで磨いたつもりだったが、
モールドが凸線であったこともあり、やはり磨き方が足りなかったようだ。
塗装を始めたら案の定、柚肌が露呈した。

サーフェイサーを吹き付けたことで安心しきってハンドピースで塗料を吹き付けていたら、
ポリパテで修正した部分が浮き出してきた。
サーフェイサーできっちりカバーした筈だったのに。
ポリパテが収縮したのか、塗料のシンナー分にサーフェイサーが負けたのか ... ?
もう一度パテ盛り整形からやり直すのがベストではあるが、気力が続かず放置。
故に機首下面は見ないように。


参考資料 (順不同)


モデルアート 2,000年3月号 P.40 〜

これで、所有するF-117ステルス機のキットは、1/72ではハセガワ製が1個のみ。
1/48ならタミヤとハセガワ/モノグラムが各1個。
他にモノグラムとイタレリのF-19がひとつずつあるが、
暫くステルス機は作りたくない気分である。


タミヤ-イタレリ 1/72 F-117A STEALTH

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