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### 09.Apr.2,012 ###

イタレリ 1/72 F-19 STEALTH Fighter

イタレリ社お得意のフライング・キット。
(実際に飛ぶわけではないが)
実機の写真1枚すら未公表な時期
(1,987年頃)に発売された名(迷?)作
witch img.

*** ITALERI Kit No. 155 ***
『ステルス』という言葉だけが先行し、肝心の形状に関してはモヤモヤした
イメージしか無かった時期に、確固たる存在として提示されたことは意義深い。
機密漏洩の疑いで米国議会で取り上げられたこともあり、
当時は爆発的に売れたようで、本キットをコピーした製品まで現れたが、
それもF-117の実機写真が公式発表された1,988年11月までの事。
実機とのあまりの相違は致命傷だったようで、いつしか市場から消えていった。

側面形や平面形のシルエットだけは、確かにF-117の原型機ハヴ・ブルーの
特徴に近いように感じられないこともない。 機密漏洩の嫌疑をかわす為に、
スタイルをわざとカッコ悪くアレンジしたと解釈されたのなら、
米国議会で問題視されたのも頷ける。

発売当初、あまりのキワモノ臭さに辟易し購入しなかったのだが、
各社からF-117のマトモなキットが出揃った頃に偶然立ち寄った、
愛知県豊川市の小さな模型店の店頭に並んでいたのを衝動買い。
まあ『絶版キットだから』という事です。


製 作


決して製作が困難なキットでは無いのだが、やはりキワモノ臭さが鼻につき、
モチベーションが維持できず。
購入直後に製作を開始したものの、いつしか手が止まっていた。
同社 1/72のF-117Aの製作を開始した時、久しぶりに製作を再開。
パーツの紛失が心配であったが、幸い杞憂であった。

実機が存在しない以上、どう作ろうと自由ではあるが、
せめて『ステルス機』らしく見えるようにはしたい。
それにはやはり、機体表面の平滑さがポイントとなるだろう。
生物的な、ヌメっとしたラインが得られるよう、パテを多用することになった。
特に苦労したのは、双垂直尾翼の前縁と胴体の間の隙間で、ラッカー・パテを
盛っては削りの繰り返し。 ポリ・パテを使えば、少しは楽ができたかも ...

エアインティーク前縁に付けるよう指示されているカナードだが、
位置があまりにウソ臭いので、吸気される気流を乱さないような、やや後方の位置に変更。
イモ付けではあんまりなので、カナードに埋め込んだ真鍮線を軸にして瞬間接着剤で固定。
左右対称の位置にセットしたつもりが、少々ズレたようだ。

どうせ実機が存在しないから ... と横着し、コックピットの塗装は思いっきり手を抜いた。
サイド・コンソールは黒く塗り分けただけで終わりにしたが、違和感が払底できず。
胴体にセットした後に我慢ができなくなり、スイッチ類には面相筆で銀や赤を注した。


塗 装


塗装箇所 使用塗料 備考
コックピット内部 Mr.Color #13
“ニュートラル・グレイ”
機首先端のガラス部分(レーザー・デシグネーター?)は、
裏から Mr.Color #47“クリアー・レッド”で塗装
計器盤
アンチグレア・パネル
Mr. Color #33
“艶消し黒”
サイド・コンソールのノブ類は、Mr. Color #3“レッド”や
Mr. Color #8“シルバー”等で塗り分け
エンジン・ノズル
ノズル後端のパドル
Mr. Color #28
“黒鉄色”
Mr. Color #33 “艶消し黒”で下塗り。
エンジン後端は Mr. Color #61 “焼鉄色”
脚庫・脚柱
脚ドア内側
タイヤ・ホイール
Mr. Color #1
“ホワイト”
脚柱のショック・ストラット部分はMr. Color #8“シルバー”
機体表面 Mr. Color #92
“セミグロス・ブラック”
実機(?)は“艶消し黒”だろうが、
模型的な演出を考えて、あえて“半艶”
Mr. Color #181
“スーパークリア半光沢”
貼付したデカールの保護 ... というよりは
デカールのシルバリングの粗隠し
スミ入れ
ウオッシング

下地にサーフェイサーを塗ると、仕上がりがボテっとなりがちなので、
あまり使いたくないのだが、上に塗る『黒』は傷が目立つ色であり、
また表面にかなりラッカー・パテを使っているので、下地作りにサーフェイサーを使うことにした。
本当ならGSI クレオスの“Mr. サーフェイサー 1,000”あたりをエアブラシで
吹き付けるべきなのだが、面倒になり、タミヤ "ファインサーフェイサー" (缶スプレー)を
そのまま吹き付けて下地処理。 懸念したとおり、ぼってりとした下地になってしまった。

サーフェイサーを吹き付けた後、表面を水ペーパーで磨いたつもりだったが、
やはり磨き方が足りなかったようで、ハンドピースで塗装したら柚肌がくっきりと ...

キャノピーはバブル・タイプ(枠無し)と、若干角張った枠有りタイプの2種が用意されている。
F-117 のキャノピーは角張った枠有りタイプなので、こちらも枠有りを選択。
枠のモールドが殆ど消えていたので、マスキングに苦労した。
案の定、シンメトリーには程遠い出来になった。


参考資料 (順不同)


実機が存在しないキワモノに『資料』と言ってもねえ ...
モデルアート 2,000年3月号 P.37 〜 P.39


あまりのキワモノ臭さに辟易し、いわゆる『F-19』のキットには
見向きもしなかった事は前述のとおりだが、
今にして思えばイタレリの1/48も買っておけばと、少し後悔している。
そうすれば、モノグラムの『F-19』(架空機)とタミヤの『F-117』(実機)で、
第2世代ステルス3機種(!?)を並べることが出来たのに ... どこかに残っていないかしら。

■ 追補
買い逃していたイタレリ 1/48 F-19 は、近所の模型店に売れ残っていたのを無事入手。
箱絵は日に焼けて退色していたが、中身は無事だったので NO PROBLEM。


イタレリ 1/72 F-19 STEALTH Fighter

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