キットを検めると、スケール表記は無いのだが、1/72 相当と判断し話を進めることにする。
今回は 2,009 年夏に再販されたキットを製作に供した。
購入時の店頭価格は税込みで \ 504。 今時、おサイフに優しいキットである。
## 少しは見習え > 静岡の某大手模型会社(複数)
このキットが発売されたのは何時頃だったろう。
胴体上面パーツ(P/N 2)の内側には "BANDAI 1978" の刻印があるが、
説明書には "BANDAI 1980 MAID IN JAPAN" とある、
いずれにせよ、初販から 30 年近くが経過している訳だが、金型の痛みは軽微。
バリもほとんど見受けられない。
金型の痛みに起因すると想像される浅い窪み(ヒケ)が散見されるが、整形は容易だろう。
バンダイの製品はパーツの肉厚が結構あるので、ヒケが発生するのは宿命だ。
軽微な事後変形も認められるが、これは製品の固体差だと思う。
初販当時、ノーズのレドームやテイル・キャップ、増槽先端のキャップ部分など、
設定色がオレンジ色の部分のパーツはメーカーで塗装を施されていたと記憶するが、
パーツをランナーから外したり、整形作業を行った時点で塗膜が剥がれてしまうので、
正直『余計な御世話』と思ったものだ。 今回はメーカーによる事前塗装は省略されている。
パーツの勘合はあまり宜しくないので、塗膜を傷める気兼ね無用で整形作業が行える。
キットは、コックピット周りの“前胴部”、その後ろの“後胴部”、
さらにその後ろの“テール・キャップ”、“主翼”、脚や増槽といった“アクセサリー”に
大別できると思う。 各々については以下を参照されたい。
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*** 前胴部(機首) ***
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機首の30mm 8連装パルスレーザー機関砲基部のバルジは見苦しいので削り落した。
適当な径の真鍮パイプでも埋め込んでやるとベストなのだが、本数も多いので今回はパス。
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*** 後胴部 ***
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スタンドは使わないので、先ずは胴体下面、右舷側に開いているスタンド用の穴を塞ぐ。
プラ板で裏うちし、現物合せで切り出したプラ板の欠片を穴に埋め込み、瞬間接着剤で留める。
はみ出した瞬間接着剤とパテで隙間を埋め、水ペーパーで整形。
胴体背部;コックピット直後のバルジ(姿勢制御用サブノズルの基部?)は形状が眠いので
整形要す。 裏側からポリパテを充填。
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*** 主翼 ***
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パネルラインの彫刻について。
内翼部には太い凹線の筋彫りが施されているが、外翼部には彫刻が一切無い
... と思ったが、よく観ると、内外翼共に凸線のパネルラインがうっすらと見受けられる。
太い凹線に関しては手を加えず、そのまま放置。
凸線は、ラインをトレースする形で凹線化。
記憶に拠れば、アニメでは外翼部にはパネルラインの表現が一切無かったように思う。
(キットのボックス・アート参照)
筋彫りを追加した事で多少のディティール・アップにはなった ... としておこう。
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*** テール・キャップ ***
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左右一対。 各々が2個のパーツを接着するだけの代物だが、勘合が甘く、パテ必須。
初販当時、このパーツはメーカーで塗装が施されていたので、
その塗膜の厚みを見越して P/N 31 & 33 は少し小さめなサイズにしたのだろうが、
小さな親切大きな御世話の典型的な例となった。 整形に少々の時間と根気を要する。
後胴部に嵌めるパーツなので、後胴部上下を接着してから整形した方が便利かも。
のっぺりとしたキャップは、せめて内側だけでもデコレーションを施すべきか、悩む。
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*** アクセサリー ***
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5本ある増槽は、ひたすら接着し、整形。 一体成型されたパイロンが厚い。
しかもパイロンの中央に走るパーティングラインが、無視できかねる段差を生じさせている。
デザイン・ナイフやヤスリを総動員して、ひたすら削る。
タイヤはまだしも、脚柱はおそまつ。 ハセガワ 1/72 F-4 あたりからトレードするか?
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