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### 23.Oct.2,016 ###


バンダイ 1/350 (Image Scale) “ウルトラセブン”

メーカーの姿勢は評価するが、
やっぱりナマモノ
インジェクション模型化は
無理があるような気がする
witch img.

*** 『The 特撮 Collection』 Series ***
1,984年の邦画『ゴジラ』(リメイク版)公開がきっかけだったと思いますが、
80年代中頃に怪獣ブームが再燃した事がありました。
現在では食玩メーカーとしても有名な“海洋堂”が、
一連の旧作『ゴジラ』の着ぐるみスーツのキャスト・キットを
リリースした事が嚆矢となり、模型の世界にも怪獣ブームが波及。
その主力はやはり、キャストやソフト・ビニール製のガレージ・キットでしたが、
インジェクション・キットの新規開発に挑戦したのがバンダイでした。
『ウルトラマン』、『バルタン星人』、『ゼットン』、『ペギラ』、『ガラモン』などなど、
さまざまな怪獣のインジェクション・キットが送り出されたものの、
やがて訪れたブームの終焉と共に全て絶版となりました。
今回製作したのはそのシリーズの内のひとつ、『ウルトラセヴン』です。


製 作


パーツ総数わずかに21。 成型色はあざやかな赤で、眼が痛くなる。
パーツの勘合は良いとは言えず、少々てこずる。 製作にはパテ必須。
ロボットのような直線を主体にした物ならともかく、柔らかな曲線でデザインされた
生物をインジェクション化するには、やはり無理があるのだろう。
(恐竜をインジェクション模型化しているメーカーもあるのだが ...)
成型の都合上、肩の帷子状のディティールに甘いところがあるものの、
修正方法が思いつかず。 止む無くそのまま組み上げた。
エアブラシで GSIクレオス“Mr. ベースホワイト1,000”を吹き付けてみると、
修正不足が一目瞭然。 しかも、“Mr. ベースホワイト”を吹き付けようとする度に、
左右両足の甲のパーティングラインが交互に割れる。 なぜ?
パテ盛り -> 整形 -> Mr. ベースホワイト吹き付けの繰り返し。

どうやら使っていたラッカー・パテが古すぎたらしい。
エアブラシで“Mr. ベースホワイト1,000”を吹き付けるため、
希釈用に加えたシンナー分に劣化したパテが負け、穴が空くのだろう。
パテを換え、再挑戦。 ボディを磨いて、地肌が覗いた部分には再度、
“Mr. ベースホワイト”をエアブラシで吹き付け。
古いパテを使った部分がまた割れるが、新しいパテを擦り込み、整形。
面倒ではあるが、パテの割れる原因に目星が付いたので気は楽である。

ウルトタセヴン本体は、アイスラッガー / 頭部 / それ以外の部位の
3パーツに別れたまま塗装まで行い、最後に全パーツを合体させる。


塗 装


star img. ウルトラセヴン本体
アイスラッガー / 頭部 / 胴体 に3分割のまま、塗装を行う。
それぞれに GSIクレオス“Mr. ベースホワイト1,000”をエアブラシで吹きつけ、下地作り。
アイスラッガーと頭部には GSIクレオス Mr. Color #02 “グロス・ブラック”を
エアブラシで吹付けて、下塗り。

塗装箇所 使用塗料 備考
アイ・スラッガー Mr.Color #159
スーパーシルバー
+
Mr.Color GX110
GX クリアシルバー
“Mr. ベースホワイト1,000”で下地作り。
Mr.Color # 02 “グロス・ブラック”で下塗り

スーパーシルバーの上にはスーパークリアー
(Mr.Color # 155)等を重ねるのがセオリーだが ...
頭部 Mr.Color #08
シルバー
“Mr. ベースホワイト1,000”で下地作り。
Mr.Color # 02 “グロス・ブラック”で下塗り
頭部ビーム・ランプ
胴体 “Mr. ベースホワイト1,000”で下地作り。
Mr.Color #07“ブラウン”で全身を下塗り
肩・胸部プロテクター
胴体ストライプ
刃物としてのリアリティを演出したくて、アイ・スラッガーは頭部マスクとは別の色で塗ってみたが、
思った程の効果は出せなかった。

star img. スタンド
手順がマズくて、ばたばたするばかり。
タミヤ“プライマー・サーフェイサー”(缶スプレー)を直接吹き付けて下地作り。
そのままGSIクレオス Mr.Color #33“艶消し黒”をエアブラシで吹きつけて下塗り。

地肌にはMr.Color #42“マホガニー”を吹きつけたところで気が付き、
壊れたビル等にMr.Color #52“フィールドグレイ(2)”を吹きつけ、ビルの一部や
瓦礫にはMr.Color #13“ニュートラル・グレイ”を吹き重ねて色合いを増した。
ビルの根元の地面にもビルの色が乗ってしまったので、Mr.Color #43“ウッドブラウン”を
細吹きして修正しようとしたが、地色の“マホガニー”とのコントラストが強すぎたので、
エアブラシのカップの中にMr.Color #42“マホガニー”を直接流し込み、即興で混色。
地面の盛り上がった部分を中心に適当に吹き付けた。
その後にMr.Color #182“スーパークリア・艶消し”をエアブラシで厚めに吹き付け、
色合いが濃すぎたスタンド全体が若干白っぽくカブるようにコーティング。

仕上げに、ペトロール油で溶いたタミヤ・エナメル XF-1“艶消し黒”を注すようにして
全体に塗付。 半日乾燥させ、エナメル溶剤を含ませたティッシュ・ペーパーや綿棒等で
余分な塗料を拭き取った。 エナメルの“艶消し黒”をつい注し過ぎて、拭き取りが大変だった。
ULTRA SEVEN - STAND img.


参考資料 (順不同)


バンダイ ボックスアート & キット説明書

バンダイの『The 特撮 Collection』Series を眺めていると、
あの1,960年代末期の怪獣ブームを懐かしく思い出す。
日本のプラモデルの老舗メーカーであるマルサンが、モーターで歩く様々な怪獣のキットを
リリースしていたのは御存知だと思うが、年少者向けだったのだろうか、
頭頂高10cm位の小さな怪獣のスタチューもいくつかあったように記憶している。
『ウルトラマン』、『海底原人ラゴン』等をセットにした物を、
近所の玩具店で母に買ってもらったが、あのキットたち、どこにいってしまったのやら。
当時の怪獣ブームは、後の1,980年頃のガンプラ・ブームなど比較にならないくらいの
盛り上がりだった。 あれほどのブームはもう二度とないだろう。


バンダイ 1/350 (Image Scale) “ウルトラセブン”

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