あやふやな記憶を頼りにしているので、事実誤認があるかと思いますが、どうか御容赦下さい。
このキット(車体)が世に出たのが確か、'90年前後の事ではなかったでしょうか?
所謂“バブル”が弾け跳ぶ前夜、グンゼ産業(当時)から『ハイテク・キット』と銘打たれた
戦車、バイク、自動車等のキットが続々とリリースされました。
プラスチックのみならず、ソフトメタルやエッチング、ゴム等の異種素材パーツを
贅沢に使ったマルチマテリアル・キットで、パッケージには確か“上級者向け”との
表示もあったような気がします。 当然価格も“上級者向け”で、模型店の店頭で
戦車の“ハイテク・キット”を指をくわえて見ていた記憶があります。
やがてバブルが弾け、いつしか高価な“ハイテク・キット”も店頭から消えていきました。
その後しばらくして、どこかで見たような一連のカーモデルがグンゼからリリースされました。
ラインナップを見れば、 かつての『ハイテク・キット』のグレード・ダウン版であることが
一目瞭然。 今回製作するキットも、その流れの物です。
元が『ハイテク・キット』なものですから、このキットにも妙な素材が使われています。
車体の内装部品、例えばドアの内張りやら前後シートなどがゴム系の部品なのです。
見ようによっては“リアル”なのかもしれませんが、ゲート痕の処理が困難で
(そう、ゴムのランナーからゴムの部品が生えているのです)悩みます。
タイヤも太いゴム系のランナーから生えています。
この私にゲート痕の処理をどうせよと言うのでしょうか?
『もう勘弁して下さい』と伏して御願いしたくなります。
タイヤのゲート痕は、目に付き難い路面側に向けて誤魔化すとして、
シート等のは必殺技“見なかったことにする”しかありません。
とにかく、自分にとってカー・モデルの第1号(平たく言えば練習台)ですから、
どこかで割り切って製作を始めなければ意味がありません。 悩みながら始めてみます。
基本的なことですが、ボディとシャーシは別々に製作、塗装を施した後、
合体させれば良さそうであります。 つまり、まずは主要パーツを塗装し、
そこに塗装まで仕上げた細部パーツを接着していって組み上げ、
ボディとシャーシそれぞれが完成した後に合体させれば良いわけで ...
『製作』、『塗装』と明確に分けて記述しようとすると、難しいような。
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*** ボディ ***
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まずはパーティング・ラインのチェック。
曲面の多いボディは、スライド金型を使って一体成型されている関係上、
ボディの表面にパーティング・ラインが顔を出している。
デザイン・ナイフや水ペーパーを使って、可能な限りパーティング・ラインを消す。
その他、ボディの曲面を乱すヒケ等も修整。 修整作業がひととおり終わったら、
タミヤの“ファインサーフェイサー”(缶スプレー)を吹き付け、修整の具合を見る。
1,000番くらいの目の細かい水ペーパーで軽く磨いて、表面を整えること ... と
How to 本には書いてあるようだが、どの程度磨けばよいのか、見当がつかない。
サーフェイサーの表面をコンパウンドで磨くこともないだろうから、水ペーパーで
適当に磨いたところで切り上げて、下塗りの Mr.Color #63“ピンク”をエアブラシ塗装。
この時点で、修整し忘れた傷などが顔を出す。 水ペーパー(1.000番)で、そおっと磨き直し。
パテ盛り整形が必要な程の深い傷が無かったのは幸いだった。
そしてまた、下地の“ピンク”を塗り直し。
整形・磨き直し / 下塗り“ピンク”の再塗装 ...
納得するまで(=諦めがつくまで)この工程の繰り返し。
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*** シャーシ ***
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エッジのゲート痕やバリ、パーティング・ラインを修整。
どうせボディの下に隠れる部分なので、サーフェイサーは使わず、いきなりエアブラシ塗装。
下塗りに Mr.Color #33“艶消し黒”を吹き付け、同 #71“ミッドナイト・ブルー”を上塗り。
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