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### 06.Oct.2,016 ###


タミヤ 1/35 レオパルド 1A4

時間経過による事後変形で
ちょっと苦労したけれど、
本来はとても作り易いキット。
店頭価格が\1,000強なら
お薦めです
witch img.

TAMIYA 1/35 Leo1A4 PKG. img
*** 1/35 ミニタリー・ミニチュア・シリーズ # 112 ***

購入当時の定価、\1,200。 2,009年12月現在、\2,625(税込み)...
このキットを購入したのは、茨城に居た頃だから、20年程昔になるだろうか。
確か、暇つぶしのつもりで出かけた土浦市で、だったと思う。
当時、移動の多い仕事に従事していた関係上、形状が複雑で壊れやすい
航空機模型よりも、頑丈そうなパーツが多くて持ち運びが楽そうな
AFVのキットを購入する事が多かったが、やはり気が乗らなかったのだろうか。
軽く仮組みをしたところで封印。 そのまま今日に到ってしまった。

時は移り、キット発売当時は最新型だったレオパルド1A4も旧式と化し、
いまではキット自体も古めかしく映る。 購入した模型店も閉店されたようだ。
だが、さすがにタミヤのキットだけあって、基本形はしっかりしていると思うので、
手を入れれば入れただけ良くなることだろう。
私の能力ではさほど凝ったことはできないが、手すりの一部等を
真鍮線に置き換える程度は行うつもりでいる。


製作


*** シャーシ ***
仮組み状態のまま20年近く放置した報いだろう、一部に軽い事後変形が見受けられた。
特にシャーシ下面の後端が内側に曲がってしまっていたので、手元にあった
木製角材を適当な長さに切り出し、リアパネル(p/n : B31)が嵌まるように広げた。

モーターライズの名残りだろう、スプロケット・ホイール・シャフトの上とシャーシの底に
溝、と言うか穴が空いていて見苦しいので、プラ角棒や蓋パーツ(p/n : A5)を
接着したあと、ポリパテ等で表面処理を行った。 ホイールの上の影の部分、
シャーシの上面と下面は素通しだが、シャーシ脇にスカートが着くので、
プラ板を貼る等の処理は行っていない。 今考えてみると、同じ理由から、
スプロケット・ホイール・シャフト上の溝を埋める必要は無かった

モーター、電池にアクセスする必要は無いので、シャーシ上下を接着する。
この時、アイドラー・ホイールだけは嵌め込んでおくこと。
シャーシ上面にモールドされているスカート先端部が邪魔をして、
シャーシ上下を接着後ではアイドラー・ホイールが嵌められなくなる。

おおまかな全体塗装が終了後、キャタピラを嵌め、サイド・スカートを接着しようとしたら、
最後の最後にトラブル発生。 塗装の都合で、別に保管していたサイド・スカートを紛失
製作中に壊して廃棄したタミヤの“ゲパルト対空戦車”からスカートを持ってきたが、
“レオパルド”用の純正パーツではないせいか、妙にパーツのすわりが悪い。
スカートから“ゲパルト”用にモールドされたタブを削り取り、調整してみたが、
それでも密着度はいまいちな按配である。 スカートはシャーシにイモ付け。
さて、どう接着したものか。 ゲル状瞬間接着剤とゴム系ボンド・クリアータイプ
(コニシ・ボンド ウルトラ多用途 SU クリアー)を併用し、強引に接着したが、
接着剤がはみ出したりして、見苦しい出来栄えになってしまった。 強度も不充分。
はみ出した接着剤をごまかすために、塗装後にシャーシに接着したサイド・スカートを
シャーシごと再塗装したが、ごまかし切れなかった。

全体塗装が終わり、デカールも貼り終えた頃に、紛失したレオパルド用純正
サイド・スカートを見つけてしまうのは、御約束のマーフィーの法則という奴だろう。
やっとの思いで接着したスカートを剥がして交換する根性も無し。 そのままとした。

同梱のベルト式キャタピラは少々長すぎるような気がする。 経年変化で伸びたのか?

*** 砲塔 ***
基本的に箱組み。 キットの古めかしさを実感させられる唯一のポイント。
近代のキットなら、スライド金型等を駆使して一体成型を試みたことだろう。
(コスト的には苦しくなるだろうが)

ハッチを開ける予定は無いが、念のため砲塔内部のハッチから
覗けそうな部分だけは車体内部色(すなわち『白』)を塗ることにした。
下準備として、砲塔の内側になる部分に缶スプレーのサーフェイサー(グレー)を吹く。
次に、エアブラシで『つや消し白』を吹き付けたが、隠ぺい力不足か
ムラになったので、『グランプリ・ホワイト』で塗りなおし。
(別のキットに吹き付けたついで、だったが)
砲塔上面(p/n : C1)外側の雑具入れスペースと後端パネル内側(p/n : C19)、
雑具入れ内部のパイプ(p/n : C3)は『つや消し黒』で塗装。
0.5mm の真鍮線で作った手すりをセットした後、
各パーツ(p/n : C1, C2, C3, C19, C21, C22)を接着し、砲塔を組み上げる。
事後変形のためか、特に砲塔右側の後端と砲塔上面の右側面に
隙間が生じたので、ポリパテ、ラッカーパテで埋めた。

ペリスコープ・カバー(p/n : C23)の内側に押出しピン痕があり、外側からも目立つので、
ピン痕の周囲をデザイン・ナイフで削って面一にしようと試みたら、厚みが不均一になり
穴が開きかけた。 パーツの天井の外側に0.5mmプラ板の切れ端を接着。
内側にはパテを盛り、整形。 こんなことなら、初めから内側にパテを盛ればよかった。
最初に横着した結果、回り道したわけである。

手すりの中、形状の単純なものは真鍮線に置き換えたが、ペリスコープ・ガードや
スモーク・ディスチャージャー・ガード等、ステーが付くなどして形状が複雑なものは
自作を断念。 これは今後の課題である。

サーフェイサーを吹きつけた後、下塗りとして缶スプレーの艶消し黒を吹きつけようと、
組みあがった砲塔を持ち上げたとたん、持ち手からポロっと落ちた。
悪いことに下はコンクリート路面。 砲塔本体こそ割れなかったものの、
スモーク・ディスチャージャーやらガード等、細かいパーツが吹っ飛んだ。
持ち手に貼った両面テープが古かったようだ。
もったいないからと言って、劣化した両面テープは使うもんじゃない。

しかたがないので、吹っ飛ばした部品はタミヤにパーツ請求。
たかが細部部品のくせに、ランナー2枚に分けて成型されているものだから、
結構高くついた。 傷ついた砲塔表面を水ペーパーで均し、外れたパーツを再接着。
再度タミヤのファイン・サーフェイサー(缶スプレー)をそのまま吹き付けた。
下塗りに缶スプレーの艶消し黒をそのまま吹きつけ。
この時点で、艶消し黒で下塗り塗装済みの砲身を砲塔に接着。
(砲塔の上塗り実施時に砲身が邪魔にはなったが)

パーツの裏など、缶スプレーで塗り残した部分には、
GSIクレオスのMr.Color #33“艶消し黒”をエアブラシでスプレーし、
全体を真っ黒に塗りつぶした。


塗装


塗装箇所 使用塗料 備考
下地処理 タミヤ
ファイン
サーフェイサー
缶スプレーをそのまま吹きつけ
砲塔内部 GSI クレオス#69
グランプリ・ホワイト
Mr. サーフェイサー1200(缶スプレー/グレー)で下地を作り、
一度はGSIクレオス#62つや消し白を吹き付けたが、
別のキットのパーツに#69グランプリ・ホワイトを
塗装したついでに塗り直し。
シャーシ & 砲塔
外装(下塗り)
GSI クレオス#33
艶消し黒
缶スプレーをそのまま吹きつけ
塗り残した部分はエアブラシで塗装
アイドラー・ホイール
ロード・ホイール
外側のゴム部分
GSI クレオス#137
タイヤブラック
“艶消し黒”のままよりはマシかもしれないが、
色味が淡すぎて『浮いた』感は否めない。
素直に“ジャーマン・グレイ”あたりを塗ったほうが良かったか?
一考の余地あり。
砲塔 & シャーシ下面
ホイール裏面
GSI クレオス#38
オリーブドラブ(2)
GSI クレオス#33“艶消し黒”を10%ほど混色。
砲塔やシャーシの下側、リアパネル等の
影になる部分にエアブラシ塗装。
ホイール裏面は下塗りの“艶消し黒”のまま。
砲塔 & シャーシ
中間色
GSI クレオス#38
オリーブドラブ(2)
砲塔、車体の側面と上面、およびリアパネルの陽の当たりそうな部分。
砲塔 & シャーシ
ハイライト
GSI クレオス#38
オリーブドラブ(2)
GSI クレオス#62“艶消し白”を20%ほど混色。
砲塔、車体の上面等で、特に陽の当たりそうな部分に
アクセントとしてエアブラシで軽く吹き付けた。
車外装備品 * 金属部分 *
GSI クレオス#28
黒鉄色
* 木製部分 *
GSI クレオス#44
タン
実車では、シャベルの柄等の木製部分は車体色で
塗装されていると思うが、模型としての演出効果を考え、
GSI クレオス#44“タン”で塗装した。
模型誌で紹介されているセオリーでは
GSI クレオス#45“セールカラー”が一般的のようだが、切らしていたので。
木目を描き足そうとしたが、失敗。 “タン”で塗り潰した。
機関銃 GSI クレオス#28
黒鉄色
GSI クレオス#33“艶消し黒”で下塗り。
銃床部等、木製の部分は
GSI クレオス#43“ウッドブラウン”を塗ってみたが色調が気に入らず。
GSI クレオス#41“レッドブラウン”を塗り重ねた。
スミ入れ
ウオッシング
タミヤ・エナメル
XF-1
艶消し黒
ペトロール油で溶いた塗料をパネルラインやモールドの凹部分に注し、
半日乾燥させた後、エナメル用溶剤を含ませた綿棒で拭き取り。
まだ塗料の注し加減がつかめず、つい注し過ぎて、拭き取りが大変だった。

焦って塗装を強行したばっかりに、いくつか失敗を犯した。
エアブラシのカップに塗料を入れ過ぎて、塗装作業中に周囲に塗料を振りまいた。
大粒のしぶきが塗装途中の模型にこぼれ、塗装が台無しに ...
指に塗料が零れ落ちているのに気がつかず、指紋のスタンプが模型の上に点々と ...
塗装前の攪拌不足で、同じ色を塗っているにもかかわらす、妙に色味の違う部分が ...
上塗りをべたっと塗りすぎて、下塗りの黒色を生かせず ...

一部は水ペーパーを使って塗装表面を平滑化し、再塗装して修正。

不運はまだ続く。
いつものように縁側でエアブラシ塗装を行っていたのだが、
エアブラシ(オリンポス PC101)の分解清掃中、エアブラシの部品をポロっと落として
行方不明に ... 縁側の下を覗き込んだり、庭石の下を掘ってみたり、
庭の雑草の根分けて探したりしたが、発見に至らず。
すでに会社が無くなってしまったオリンポス社にパーツ請求する訳にもいかず。
ノズルが割れて使えなくなった別のオリンポス PC101
(ノズルとゴム・パッキングさえ入手できればまだまだ使えるのに ...)から部品を共食いし、
無くした部品が見つかるまでだましだまし使ってはいるが ... 本当に困った。

教訓 : 急いては事を仕損じる

自分の乏しい経験から、タミヤのデカールは硬くて貼り難いとの先入観があり、
デカールを貼った上からGSIクレオスの“Mr. マークソフター”を塗り、
水分等を綿棒で拭き取りながらデカールを押さえていたのだが、
デカールが劣化していたのか、あるいはマークソフターを塗り過ぎたのか、
フィルムの一部が破れてしまい、見苦しい出来になってしまった。
破れた部分を寄せ集めて貼り合せ、注意して観ない限りは気が付かない程度に
リカバリーはしたものの、新しいデカールに貼り換えるべきか、迷うところだ。


参考資料 (順不同)


■  キット説明書以外、特に無し


タミヤ 1/35 レオパルド 1A4

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