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### Recent UPDATE ###
### 25.Nov.2,014 ###


ハセガワ 1/200 NASA SPACE SHUTTLE ORBITER
w/ Booster & Launching Mount

オービター自体は意外に小さいが、
発射台や外部燃料タンク等のおかげで
そこそこのボリューム
witch img.

*** KIT # SP134 / Space Science Series ***
現在では定番商品に返り咲いているようだが、
私がこのキットを購入した当時は
確か生産休止中で、
日本人宇宙飛行士がシャトルに
同乗したか何かを記念して、
スポット生産された物を
入手したように記憶している。

自分が所持している
スペースシャトル・オービターの
キットは3種類。
タミヤのオービターは1/100。
サイズが大き過ぎて、自分の手には少々余る。

レベルのは1/144で、サイズは手ごろだが、
レベル製だけに組み難くそう。
おまけ(?)にシャトルを輸送する
B747が付いてくる。
(レベルのキットはいつか、
 丁寧に組上げてやりたいと思っている)

対するハセガワ1/200は、
組み易そうではあるが、小さ過ぎて ...
気楽に作るにはどれも
帯に短し襷に長しといった按配であったが、
ハセガワのオービターに、
ブースターと発射台がセットされた事で
サイズ上の不満は解消。
ちまちまと作っている。
1/200 Space Shuttle BOXART img.


製作


*** 発射台 ***
展示台。 それなりのディティールは彫刻されているが、どこまで正確か、定かではない。
発射台にクローラー4基、2パーツでできた排気塔を2本、接着すれば完成。
クローラー、組上げた排気塔、展示台それぞれにタミヤのファイン・サーフェイサー
(缶スプレー)を吹き付け、表面処理を施し、塗装。 その後に組上げれば良いだろう。

*** 外部燃料タンク(ET) / 固体補助ロケット・ブースター(SRB) ***
外部燃料タンクと補助ロケット・ブースターは一体成型。
表裏2パーツを接着し、SRB のノズルを付ければ、ほぼ完成である。
主パーツの勘合は問題無いが、外部燃料タンクと補助ロケット・ブースターの間隔が狭く、
接着線の整形処理や塗装時のマスキングが難しい。
外部燃料タンクと補助ロケット・ブースターは、別々に成型してもらいたかった。
外部燃料タンク / 補助ロケット・ブースターの表裏を接着。
整形作業後、タミヤのファイン・サーフェイサー(缶スプレー)を吹き付け。
表面を軽く磨いて、サーフェイサーが剥げた部分には、GSI クレオスの
“Mr. サーフェイサー 1,200”をエアブラシで吹き付け。

*** シャトル・オービター ***
左右に分割された胴体にカーゴ・ベイを組み込み、
ノーズ・コーン、主翼、垂直尾翼を取り付ける構成。

オービターは外部燃料タンクに接続するので、降着装置は不要。 シャトルの底面に、
外部燃料タンクに接続するための支柱の受け口を、忘れずに開けておくこと。

カーゴ・ドアを開けるつもりはないので、ペイロードは手を抜いた。
整形作業も不十分なので、あまり見ないで頂きたい。 ペイロードの通路部分に
サード・パーティー製のノズル・パーツを適当に貼り付け、粗隠し。

ノーズ・コーンと胴体はそれぞれ左右分割。 左右それぞれの胴体に
左右のノーズ・コーンを接着して一体化させる。 ノーズ・コーンと胴体の間に
ギャップが生じないよう注意したが、若干の隙間が生じた。 パテ埋め、整形処理。
面一にはなったものの、パネル・ラインが少し消えた。


塗装


塗装箇所 使用塗料 備考
*** 発射台 ***
発射台部分 Mr.Color #305
“グレー FS36118”
Mr.Color #33“艶消し黒”で下塗り
発射台下部
クローラー部分
Mr.Color #28
“黒鉄色”
発射台上面
ピット内部
Mr.Color #305 “グレー FS36118”
で全体を塗装後に塗り重ね
発射台上面
排気ルーバーらしき
モールド部分
Mr.Color #61
“焼鉄色”
*** 外部燃料タンク(E.T.) / 補助エンジン(S.R.B.) ***
補助エンジン・ノズル Mr.Color #28
“黒鉄色”
Mr.Color #33“艶消し黒”で下塗り
*** シャトル・オービター(Orbiter) ***
機体内部 Mr.Color #33
“艶消し黒”
成型色が白の部分
カーゴ・ベイ内部 Mr.Color #1
“ホワイト”
Mr.Color #33 “艶消し黒”で下塗り
ペイロード “Mr.サーフェイサー 1,200”の上に
直接塗装
カーゴ・ベイ
ドア内側
Mr.Color #159
“スーパー・シルバー”
&
Mr.Color #155
“スーパー・クリアー”
Mr.Color #92“セミグロス・ブラック”で下塗り
カーゴ・ベイ
ドア外側
Mr.Color #GX 1
“クール・ホワイト”
“Mr.サーフェイサー 1,200”で下塗り
垂直尾翼 Mr.Color #GX 1
“クール・ホワイト”
“Mr.サーフェイサー 1,200”で下塗り
ウインド・シールド Mr.Color #101
“スモーク・グレー”
エアブラシで、シールドの内側に吹き付け
エンジン・ノズル Mr.Color #28
“黒鉄色”
Mr.Color #33“艶消し黒”で下塗り

*** 発射台・追補 ***
発射台を仕上げ塗装中、エアブラシのカップからこぼれた塗料が、パーツの表面にベタっと ...
慌ててティッシュ・ペーパー等で拭おうかと思ったが、じっとガマン。 よく乾燥させた後、
水ペーパーをかけ、表面を整え直してから再塗装。 事なきを得た。 やれやれ ...

発射台の上面には、シャトルのロケット・ブラストを逃がす為のピットがある。
この部分を“黒鉄色”で塗装するため、発射台全体をマスキング。
直線的な塗り分けなので、際のみをマスキング・テープでカバーし、
残りの部分は新聞紙などでカバーするのがセオリーなのだが、
紙を用意するのが面倒になり、発射台全体をマスキング・テープでカバー。
塗装後にテープを剥がす際、塗装面を痛めそうで、正直怖かった。
少々手直しが必要ではあったが、概ね無事だったのは幸運以外の何者でもない。

これだけでは色味が少なくて寂しいので、発射台上面の排気ルーバーらしきモールドに
“焼鉄色”を重ねた。 “黒鉄色”も“焼鉄色”も、下地に“艶消し黒”を塗った上に重ねるのが
自分の流儀なのだが、ロケット・ノズルとの色の差を出したかったので、
あえて“グレー FS36118”の上にそのまま塗り重ねた。

*** オービター・追補 ***
ペイロードの塗装色はカーゴ・ベイと同じ、Mr.Color #1“ホワイト”を使用。
同じ色が重なって、ペイロードとカーゴ・ベイの区別がつかなくなるかと心配したが、
Mr. サーフェイサー1,200 の上に直接ホワイトを塗った結果、
ペイロードのホワイトがグレーがかった発色になり、面白い効果が出せた。
単にエアブラシが汚れていただけかも知れないが、怪我の功名といったところだろう。

実機のカーゴ・ベイ・ドアの内側には太陽電池パネルが貼ってある。
これを再現するのに、料理用アルミ・ホイルのような金属箔や模型用金属蒸着シート等を
貼る事も考えたが、効果はともかく、使用経験が無い為断念。
(ハセガワのトライツール・ミラーフィニッシュは魅力的だが ...)
塗装で仕上げることにした。 とりあえず、Mr.Color のブラックで下塗り。
“グロス・ブラック”で塗りたかったが、切らしていたので、#92“セミグロス・ブラック”で塗装。
試しに Mr.Color #159 “スーパー・シルバー”で上塗りしてみたら、妙に光沢のある黒鉄色
といった趣の色になった。 “スーパー・シルバー”には Mr.Color #8 “シルバー”ほどの
隠ぺい力が無いのか、期待とは違った色になってしまいそうだ。 使った塗料が
すこし古めの製品だった為か、現行の Mr.Color #8 “シルバー”より粒子が大きく、
エアブラシのノズルに引っかかるような感触だ。 クリアー分もより硬いような気がする。
ニードル位置を開き気味にセットし、吹き付け圧は高めで、少し遠めから吹くと良さそうだ。
圧が高めなせいか、静電気の悪戯か、吹き付ける度に空中浮遊中の糸くずなどが塗面に
付着する。 塗面が噛み込んだ糸くずを、1,000番程度の水ペーパーで削り取っては再塗装。
都合4回程吹き付けたら、天井の照明がぼんやり映り込む程度の銀色には発色してくれた。
その上に Mr.Color #155 “スーパー・クリアー”を吹き付け。
凄みのあるシルバーには程遠く、ぼんやりとしたネズミ色といった風情か。
塗装後、Mr.Color SM-01 “スーパー・ファイン・シルバー”という選択肢があった事に
気が付いたが、後の祭り。
後日、一部塗り残した部分に気が付いたが、これも後の祭り。

今回、初めてGSI クレオスの Mr.Color #GX 1 “クール・ホワイト”を使ってみた。
まずはカーゴ・ドアの外側と垂直尾翼から。 下地の隠ぺい力や発色の具合は、従来の
ホワイトとは比べ物にならないくらいの優れ物であるが、冬の最中の静電気の悪戯だけは
如何ともしがたく。 塗面が噛み込んだ糸くずなどの除去と再塗装で、
Mr.Color #1 “ホワイト”同様、何度も塗装をしなおすハメに。

1/200 のコックピットは、ただのガランドウ。 これを誤魔化す為、ウインド・シールドを
裏側から Mr.Color #101 “スモーク・グレー”で塗装。



参考資料 (順不同)


炎の日 / スペースシャトル・ストーリー 柴田三雄 集英社

試作機 エンタープライズ 大気圏外飛行能力無し 大気圏内滑空飛行試験まで実施
実用機 コロンビア STS-107 2,003年2月1日 大気圏再突入中に空中分解
チャレンジャー STS-51-L 1,986年1月28日 離床73秒後に空中爆発
ディスカバリー
アトランティス
エンデバー “チャレンジャー”の代替機として追加生産

宇宙 - そこは人類に残された最後のフロンティア ...

アポロ以降の宇宙開発の手段として開発された、再使用可能な宇宙船。
それがスペースシャトルです。
機体を再使用することで打ち上げのトータル・コストの削減が期待できる半面、
再使用するための機体整備に長い時間が必要になったり、
離床時にはデッド・ウエイトにしかならない大きな主翼の分だけペイロードが
削られて不利、といったデメリットも内包していたスペース・シャトル。
現代のロケット・エンジンは行き着くところまで改良されつくし、
これ以上の比推力の向上は望めそうもないと聞き及びます。
冶金学やエンジン、プロッペラント等の各方面分野において、
画期的なブレーク・スルーを迎えない限り、宇宙船に搭載可能なペイロードには
おのずと限界が生じることになります。
現在のスペースシャトルのような再使用可能な宇宙船は将来、必ず必要になるのは
疑問の余地はありませんが、現在の技術ではまだ無理がある。
現時点において、宇宙にペイロードを運び上げる手段としては、
使い捨てカプセルのほうが有利と考えるエンジニアも多いようです。

来る2,010年にも退役が予定されているスペース・シャトル。
その存在意義に歴史的な評価が下されるのも、もう間もなくの事でしょう。


ハセガワ 1/200 NASA SPACE SHUTTLE ORBITER
w/ Booster & Launching Mount


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