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### Recent UPDATE ###
### 29.Sep.2,016 ###


タミヤ 1/72 (1/75?) 震電

さすがに古さは否めないが、
ハセガワとは違う
グラマラスなライン
現在でも魅力的
witch img.

SINDEN PKG. img.
*** タミヤ 1/72 フライトシリーズ # 5 ***

このキット、今までに幾つ作ったことだろう。
組立て途中にいつも、垂直尾翼下の補助輪を折って無くしてしまい、
なにか足りない震電をいくつ並べたことだろう。

模型店の定番だった、タミヤの 1/72 フライト・シリーズ が絶版となったのが、
1,970年代の半ば頃だったろうか。 ハセガワの 1/72 シリーズの充実が著しく、
当時においてさえ衰えの隠しようが無くなりつつあったタミヤのシリーズが、
消えてゆくのは自然な成り行きではあった。 5アイテムから成るシリーズ中、
4アイテムはハセガワからリリース済み、あるいはリリースが期待されたため、
食指を動かすには至らなかったが、#5の震電だけは別格。

## 後年、まさかハセガワから 1/48 & 1/72 がリリースされるとは ...

子供のお小遣いで買えるだけ買い込み、筆塗りで1機は完成。
残りは押入れの肥やしと化したまま、封印して幾星霜。
ちょいと思いついた事があり、在庫の山からひとつ、抜き出した。


製 作


細身でカッチリしたハセガワ 1/72 のシルエットと異なり、
どことなく丸っこくてグラマラスなタミヤのキットのプロポーションは、
実機に似ている、いないとは別の次元で、魅力的に映る。
いかにも『震電らしい』のだ。 インプリンティングのなせる業、ということか?

## 異論はあることだろうが ...

プロポーションは別にして、ディティールは年相応。 無きに等しい、とも云う。
パネルラインは凸凹混合なので、せめて凸ラインだけでも、
市販誌の三面図等を参考に彫り直してやろうかと一瞬思ったが、
ハセガワの凹ライン・キットがある現在、不毛な作業なので、思いとどまった。
キットのラインをトレースして、一部は彫ったが、省略多し。
コックピットはただの空洞で、床板や計器盤はおろか、シートすら無い。
自作する根性は無いので、キットに付属の、やたら体格の良いパイロットを乗せて
ごまかす事にした。 そのパイロットさん、全身が融けた飴細工状の塊
といった代物なのだが、色を置いてみたら、結構男前になってくれた。
一体整形のキャノピーは肉厚で、胴体との合いも宜しくない。
胴体側にプラ板の小片を貼り、一部をかさ上げして修正したが、
まだ隙間が空くのでパテ盛り整形作業必須。

組立作業はほぼストレートではあるが、機首の機銃口位置の誤りだけは
看過できなかったので、手元にあった真鍮パイプを埋め込んで修正した。
また左右胴体を接着すると、前脚庫内に大きな段差ができる。
初めは段差を無視して、左右胴体を接着したが、接着後に無視できなくなった。
前脚庫内にプラ板を接着して段差を隠したが、浅い脚庫がさらに浅くなってしまった。
せめて脚庫の底をくりぬいて、胴体内側からプラ板でも当ててやれば、
浅いながらも多少は見栄えが良くなった事だろう。
脚柱、車輪、脚庫扉もストレート。 プロペラ、スピンナーもそのまま。

胴体に主翼、垂直尾翼、カナードを接着した後に思いつき、主翼端灯クリヤー化工作に着手。
翼端をカッターで切り欠き、翼端灯に見立てたアクリル棒の欠片を瞬間接着剤で接着。
あとは金ヤスリや水ペーパーを動員して、アクリル棒を翼端形状に削りだす訳だが、
垂直尾翼やカナード等が邪魔で苦労した(実際、作業中に片方のエルロンが外れた)。
主翼を胴体に接着する前に作業を行うべきだったと痛感。
今回は試しに赤、青の色付き3mmアクリル角棒を使ってみたのだが、
削ってみると随分、色が薄くなってしまった。 外れたエルロンを再接着して、修理完了。


塗 装


塗装箇所 使用塗料 備考
プロペラ・ブレード Mr. Color #1“ホワイト”で下塗りし、
Mr. Color #4“イエロー”を重ねた。
発色が悪くて苦労した。
スミ入れ
ウオッシング



参考資料 (順不同)



タミヤ 1/72 フライトシリーズ
Number   NAME
01   零戦(32型)
02   鐘馗
03   雷電
04   疾風
05   震電

ハセガワのキットのラインを観ると、『概念が先に立ったキット』と感じる事がある。
『戦闘機の形はこうあらねばならない』、『爆撃機はこう ...』という理屈、
あるいは先入観がまずあり、そこから全てが始まっているような気がする。

対するタミヤは、『情念が先に立ったキット』だな、と想う。
模型である以上、実物の形状やラインをトレースするのは当然なのだが、
その前に『模型屋』の熱いパッションを感じるような気がするのは気のせい、
あるいは『贔屓の引き倒し』なのだろうか?
ディフォルメの巧いメーカーであることは確かである。


タミヤ 1/72 (1/75?) 震電


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