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### 19.May.2,013 ###
ハセガワ 1/72 Mikoyan Mig-29 FULCRUM
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ベテラン?それともロートル?
ディティールはともかく、
寸詰まりなプロポーションは致命的
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時代的に仕方が無い事だが、“ソ連空軍の軽量戦闘機”と
箱にしっかり表記されているのが、可笑しいやら哀しいやら ...
このキットを購入したのはいつだったのか記憶が無いが、
キットが発売された直後に購入したはずだ。
同梱のデカールに『1,987.3』との印字が見えることから、多分その頃だろう。
おおよそ20年強、ウチの押入れに眠っていた事になる。
その20年の間に、現世では何があったのか。
ソ連で始まったグラスノスチの流れは周辺諸国を洗い流し、
東欧の共産主義諸国が次々と崩壊。 その奔流は本家のソ連をも押し流し、
遂にはソビエト連邦が消滅。 代わりにロシア共和国が誕生し、
第2次世界大戦以降、世界を形作ってきた東西冷戦構造が崩壊。
二極構造のうちの一方が消滅したことで世界は平和になると思いきや、
冷戦構造の下で危うい平衡を保っていた世界はバランスを崩し、
大局の影に隠れていた比較的小規模な地域紛争(e.g. 湾岸戦争)が
顕在化する呼び水にもなった。 さらには宗教を拠りどころにした
汎地球的テロ集団まで現れるに至り、世界はシンプルに、
平和になるどころか、混迷がより深まったように見える。
## いやはや、凄いこと ...
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*** KIT # K22 (購入時定価 \1,000) ***
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さて、ハセガワの Mig-29 の事。
グラスノスチのはしりの頃にリリースされたためだろう。
参考資料の少ない時期にまとめられた割りには良くできているが、
全長誤認によるプロポーションの狂いは致命的。
リリース後、背部の補助エアインティークのルーバーの形状修正や
ラダーの増積、ミサイル等のアクセサリーの追加などの改修や、
デカール換え等の各種バリエーション変更版が続々と発売されたものの、
食指を動かすに至らず。 同じ理由から、フジミのキットも購入しなかった。
そういえばモノグラム(1/48)は購入したのやら ... ?
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そろそろしませんか? > ハセガワ様
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ハセガワが参照したデータは恐らく、ジェーン年鑑あたりが発表した
推測値を元にしたものだろうと思う。 グラスチノチが始まったとはいえ、
まだ不十分な時代であり、推測値に頼らざるを得なかったのはしかたがない。
不十分なデータを元に、鉄のカーテンの向こうの真実を自分なりに推理するのが、
ある意味ソ連機の醍醐味である ...
## いまさら自虐的過ぎるか?
参考までに、手元の資料から抜き出したデータを併記しておく。
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キット説明書 |
資料(下記『資料』の項参照) |
全長 |
15.5m |
17.32m (with PVD prove) 14.875m (without PVD prove) |
全幅 |
12.0m |
11.36m |
全高 |
5.25m |
4.73m |
国別や、メーカー個別の御作法などに拠って、
航空機のごく一般的なデータですら測定法や表記法は様々であるとか。
そのため、上述のデータがそのまま比較の対象になると断言はできないが、
参考にはなるだろう。
概観すると、ハセガワのキットは全長が短く(1/72換算で2.5cm強?)、全高がやや高い。
全体的にまるまっちい感じ、てゆーか、タマゴ・ヒコーキ? ... といったところか。
キット自体はさすがハセガワ製。
パーツの勘合に大きな問題は無く、製作は容易。
一部のパーツをランナーから切り離したまま長年放置していたが、
パーツの変形や紛失は無く一安心。
ギアを降ろした降着姿勢とし、エアインティークはシャッターが下りた状態にしたが、
背部の補助インティークの修正等の追加工作は一切行わず。
後発のエアフィックス(1/72ではベスト!)やイタレリのキットがある以上、
プロポーションを修正する等の修正・追加工作は無駄だと判断したからだ。
パッケージが潰れてきて、中身に影響が及びそうになってきたこともあり、
迷彩塗装の練習台と割り切って製作することにした。
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Mig-29の塗装 (チェコ空軍機)
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塗装部分
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色名
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FS #
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機体上面
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Pale Brown
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FS 20227
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Dark Brown
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FS 20045
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Medium Green
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FS 24266
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Dark Green
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FS 24079
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機体下面
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Pale Blue-Grey
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FS 26293
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レドーム等
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Medium Grey
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FS 26231
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コックピット・インテリア
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Medium Grey
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FS 26307
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ヘッドレスト後方の サーキット・ブレーカー・ボックス
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Pale Grey
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FS 22595
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イジェクション・シートの フレーム
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Black
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FS 37030
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首脚庫内部 主脚庫内部の一部
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Pale Blue-Grey
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FS 26293
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(主脚庫内部の一部はベアメタル)
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脚柱 / マッド・ガード
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Pale Grey-Green
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FS 34670
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ホイール・ディスク
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Green
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FS 34138
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機体内部の構造材はジンク・クロメイト・イエロー・プライマーや
Pale Blue-Grey (FS 26293 / 機体下面色と同一) で塗装されている
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*** 参考資料 : Mig-29 All Variants (下記参照) ***
塗装箇所 |
使用塗料 |
備考 |
胴体内側 |
Mr. Color #33 艶消し黒 |
光の透過予防処置 |
機体内側のコックピット周り フロア、計器盤等 |
Mr. Color #13 ニュートラル・グレー |
Mr. Color #33“艶消し黒”で下塗り |
射出座席 |
Mr. Color #33 艶消し黒 |
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プロポーションに少々納得がいかない以上、塗装の考証に凝るのも無意味だろう。
色指定に関しては難しい事は言わず、キットの説明書の指定に準拠して行うことにした。
コックピットは計器盤を含め、GSIクレオスのMr.Color #13“ニュートラル・グレイ”。
計器盤にデカールを貼ったのち、Mr.Color #182“スーパークリアー艶消し”で
コックピット全体をコーティング。
アンチグレア・パネルはMr.Color #33“艶消し黒”を塗り、
その上にMr.Color #71“ミッドナイト・ブルー”を吹き重ねたのだが、
H.U.D. の基部付近にヒケを発見。 パテ盛り整形作業を行った後、
再度Mr.Color #33“艶消し黒”を塗り直し。
Mr.Color #71“ミッドナイト・ブルー”を吹き重ねるのがおっくうになり、そのまま放置。
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■ |
Mig-29 All Variants |
4+ Publication |
Bi-Lingual (English / Czech) |
ISBN 80-900708-4-1 |
当初、ソ連のSu-27とMig-29の関係は、米空軍のF-15とF-16の関係
(いわゆる『ハイ・ロー・ミックス・コンセプト』)に相当するものと
考えられていました。 当然、Mig-29の立場はF-16と同じ、
総合的な性能は主力機より劣る代わり、小型で安価な『ロー』であります。
であるならば、Mig-29の機体規模もF-16と同じ位だろうと、
誰もが信じて疑いませんでした。 これがまさに盲点でした。
冷静になってみれば、単発のF-16と双発のMig-29のサイズが
同規模であると考えるほうに無理があったわけですが ...
Mig-29の模型を作るなら、リリースが比較的遅くて、プロポーションの
整っているイタレリ(1/72)かエアフィックス(1/72ではベスト・キット)。
(あるいはロシア / 東欧のメーカーから、隠れた名キットが出ていそうな気もしますが)
1/48ならアカデミーがお勧めでしょう。
モノグラムの1/48は寸詰まりでした ... っけ? 記憶が曖昧で ...
1/32ではレベル製がありましたが、最近は見かけないようです。
(中身は未見ですので、プロポーションの良否は不明)
費用対効果で悩むところですが、トランペッターのキットもありますので、
大サイズがお望みならそちらを選択するのも良いでしょう。
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ハセガワ 1/72 Mikoyan Mig-29 FULCRUM
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