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### Recent UPDATE ###
### 13.Dec.2,011 ###


ハセガワ 1/72 グラマン X-29A

ハセガワの凹線キットはやっぱり楽。
固体差かも知れないが、
ウェルド・ライン(フロー・マーク)が
目立つのが気になる。
witch img.

*** KIT No. B13 ***
X-29 Pkg. img
ブラジル・レベル製の箱スケール・キット“P6M-1”を作っていたのですが、
製作作業の山は越えたようなので、そろそろ別のキットが作りたくなってきました。

## こういう性分なので、未完成品が山積みになる訳なのです。
## 歌の文句じゃありませんが『判っちゃいるけど止められない』のであります。

おそらくアニメ“マクロス・プラス”に登場する“YF-19A”の影響でしょうが、
突然、前進翼機が作りたくなり、ハセガワ 1/72
グラマン X-29A A.T.D. (Advanced Technology Demonstrator) を製作する事にしました。
X-29A のインジェクション・キットはハセガワ1/72が唯一の存在なので、
選択の余地は無いわけです。
パネルラインは繊細な凹線で表現されていて、パーツの勘合も良好。
パーツの表面に散見されるウェルド・ライン(フロー・マーク)が気にはなりますが、
組立作業はとても楽そうです。

楽なキットが作りたいのです。
ブラジル・レベル製のキットで相当、ストレスが溜まっているようなのです。

*** 実機について ***
主翼上下の気流が翼端から胴体側へと向かうため、
翼端失速が回避できるメリットと引き換えに、主翼端側に発生する
大きなひねり荷重に耐える構造を要求される前進翼。
そのため主翼には強靭な構造が要求され、主翼の構造補強は重量増加を招き、
前進翼は、とりわけ超音速機にとってはデメリットのほうが大きいと判断されていた。
その常識に挑戦し、超音速前進翼機の可能性を探るために
製作されたのがグラマン X-29A である。

最初から量産を前提としない、純然たる研究目的で製作された特注機であるため、
機体のコンポーネントは既存機のものを流用。
操縦席から前の胴体部分とノーズ・ギアはノースロップF-5Aから、メイン・ギアはF-16から、
また操舵システム(デジタル・フライ・バイ・ワイア)はF-16Aの物を使っている。

X-29Aは2機製作され、シリアル・ナンバーは 82-0003 / 82-0049 。
1号機(82-0003)に胴体部分を提供したのは、
デイビス・モンサンのAMARCで保管されていた元米空軍機のF-5A(63-8372)で、
2号機(82-0049)にはノルウェー空軍から返還されたF-5A(65-10573)が使われた。
問題の主翼は、アルミ合金とチタン製の構造材に、
グラファイト・エポキシ樹脂製の外板を採用して製作。

1号機は1,984年12月14日、2号機は1,989年5月23日に初飛行。
1,992年までに2機で合計374回の飛行を行い、試験プログラムは終了した。
(参照資料 : 世界の傑作機 SP 003)


製 作


かなりのベテラン・キットのはずだが、金型の痛みに因る傷やバリ等はほとんど見受けられない。
薄いバリが射出座席パーツの底に確認できるくらいであった。
ただし、主翼などの薄いパーツの表面にウェルド・ライン
(融けたプラスチックを金型に注入した際に生じた、不均一な流れの痕)が散見された。
金型の痛みの兆候なのか、あるいはただの製品固体差なのか、不明。

主要パーツを仮組みしてみると、パーツの勘合には全く問題無し。
胴体下面後端(エンジン・ノズルとの接合部分)に若干、隙間が生じるようではあるが。
念のため、胴体の接着面に軽くペーパーをかけ、エッジを出すようにしておくと良いだろう。
その他、エアインティーク・ダクトの内側や主脚庫の内側等に押し出しピン痕が
見受けられるので、可能な限り修正すると良い。
それ以外に特記すべき点は無し。 
パーティング・ラインの修正など、常識的な作業だけで充分だろう。
開閉選択式のキャノピーのポジション選択に悩むくらいか。

機首左右側面のA.O.A.(Alpha)プローブは、モールドが若干甘くなっていたので削り取り、
虫ピンの先端にリプレース。 左右対称位置にあるべきプローブだが、気持ちズレたか?
A.O.A. プローブ基部の丸いパネル・ライン(凹)をパテで埋め、
虫ピンの頭がセンターにくるように円形の筋彫りをやり直したが、巧くいかなかった。

塗装 / 艶消しクリアー・コーティングの終わったコックピット部分を組み込み、胴体左右を接着。
説明書に指定は無かったが、念のため少量の板鉛の欠片を機首に入れておいた。

主脚カバーの内側や、エア・インティークの内側は押し出しピンの痕やヒケが目立つので、
パテ盛り整形し、GSI クレオスの“Mr. サーフェイサー 1,200”をエアブラシで吹き付け、下地塗り。


塗 装


塗装箇所 使用塗料 備考
胴体内側 Mr. Color #33
艶消し黒
光の透過防止処置
機体内側のコックピット周り
フロア、計器盤等
Mr. Color #13
ニュートラル・グレー
Mr. Color #33“艶消し黒”で下塗り
射出座席

プラスチックの成型色は白で、肉厚も比較的薄い。
照明等の光にかざすとかなり透過するので、胴体パーツ(P/N : A12 & B1)の
内側を、GSIクレオスのラッカー系塗料『Mr.カラー』
(以降、Mr.カラーと略記)の#33(艶消し黒)で塗りつぶし。
主翼、カナード、垂直尾翼は表裏一体成型のため、手をつけられず。

コックピット部分は“Mr.カラー #33 / 艶消し黒”で下塗りし、その上に
“Mr.カラー #13 / ニュートラル・グレイ”を塗る、毎度のルーチン・ワーク。
計器盤はデカール表現なので、所定の位置にデカールを貼り、
一週間ほど放置して充分乾燥させた後、エアブラシで
“Mr.カラー #182 / スーパークリアー・艶消し”を塗ってコーティング。
“マークセッター”等を使ったものの、デカールが充分密着していなかったようで、
“Mr.カラー #182”を吹き付けている最中に一部浮き上がったが、
コーティングを強行。 見苦しい結果となったが、『小さいから見えない... 』と
三度唱えて自分をごまかした(ヲイ)。
スロットル・クオドラント部分には“Mr.カラー #33 / 艶消し黒”を注した。


参考資料 (順不同)


世界の傑作機 SP 003 Xの時代 文林堂
世界の傑作機 # 067 X プレーンズ 文林堂

ある晩突然、ハセガワのX-29Aが作りたくなり、『確か2、3個持っていたはず ... 』と、
在庫の山を引っ掻き回す事約2時間。 アクト・ハセガワの“エリア88”仕様をひとつ
見つけたものの、通常版は発見できず。 ついに嫌気がさして、模型屋にひとっ走り。
また在庫をひとつ、増やしてしまいましたとさ ... やれやれ。


ハセガワ 1/72 グラマン X-29A


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