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### Recent UPDATE ###
### 19.Nov.2,014 ###


アカデミー (ホビークラフト・カナダ)
1/72 F2H BANSHEE

パーツ割りを見た限りでは、
エアフィックス
出来の悪いコピーキット
... って感じ?
witch img.

*** 実機について ***
マクダネル F2H BANSHEE。
アメリカ海軍初の艦上ジェット戦闘機 FH-1 PHANTOM の発展型。

新参メーカー“マクダネル”が開発した FH-1 PHANTOM は、
米海軍に艦上戦闘機のジェット機化時代をもたらしたものの、
その性能は決して海軍を満足させるものではなかった。
早速海軍は、後継機の試作をボート社やノースアメリカン社などに命ずると同時に、
マクダネル社にもFH-1の発展型の試作を命じた。
これは、他社の試作機が失敗した場合に備えた保険であったようである。
エンジンは、FH-1のJ30-WE-20双発から、
より強力なJ34-WE-34双発へと大型化したこともあり、機体も大型化。
単純な高揚力装置しか持たない大柄な機体は、
小型空母での運用に適さず、当時の正規空母でも
限られたスペースではハンドリングに難があるなどの課題を残した反面、
機内容量に余裕があった事から電子機器などの追加搭載が容易で、
全天候ジェット艦上戦闘機として活躍した。
また、朝鮮戦争の勃発にともない、急遽写真偵察機型も開発された。

全天候機としてはアヴィオニクスは貧弱、飛行性能は後退翼機に敵わなかったが、
後継機の開発がもたついた事もあり、比較的長期間現役に留まった。


製 作


アカデミーのバンシーの説明書には“Copyriht 2,001 ...”とあるので、
発売されたのはその頃だろう。 1/72のバンシーのキットはアカデミーの他、
ホビークラフト・カナダとエアフィックスからも発売されていたように思う。
アカデミーのキットは、ホビークラフト・カナダのものと同一のようだ。
一方のエアフィックス製は現在、入手困難だと思う。
PKG. img.
アカデミーのキットのパネルラインは太い凹線で表現されており、
繊細な凸線のエアフィックスと比較すると、かなり省略されているようだが、
参照するに足る図面・資料が手元に無く、判断できず。
肝心のプロポーションも、エアフィックスより見劣りするような気がする。
ただ、添付されているデカールは、印刷に限り、アカデミーのものが最良だろう。
(勿論、貼り心地は保障の限りでは無い)
パーツ数が少ないこともあり、製作は総じて容易であるものの、
パーツの精度が甘く、またディティールが無いに等しいのが辛いところだ。

*** 主翼 ***
主翼の内側には、妙な棒(?)がモールドされていて、面食らう。
融けたプラスチックを金型に注入した跡なのか、
金型からパーツを抜く為のショット・ピンの痕なのか不明だが、
とにかく不要なので、切り取る。 かなり太い棒なので苦労する。
主翼には左右で計4発、ロケット弾を懸架するようにパーツが用意されている。
バンシーは、クリーンな丸腰(機関銃・砲のみ装備)状態が似合うと思う。
ロケット弾用パイロンを接着するには、主翼の隠し穴を開ける必要があるが、
ロケット弾を装備したバンシーは『らしくない』ので、穴は開けなかった。
主翼上下パーツを接着する前に、エンジン後端パーツを用意する必要がある。
左右主翼の根元にエンジンのコーン部分を接着するのだが、
左右でコーンの軸がズレているとみっともないので、接着時に注意すること。
御想像どおり、ズレています。

*** 胴体 ***
仮組みをしてみると、ややテール・ヘビー気味なので、
機首には錘を入れたほうが良さそうだ。 パチンコ玉を一個、機首に忍ばせた。

機首の機関砲口を開口。 真鍮管を埋め込んだ。 資料によれば、機首左右に
4門ある機関砲は全て20mm ブローニング M-2(携行弾数各160発)とあるが、
実機写真では、上側の機関砲口は下側のそれより大きく見える。
砲口のサイズ自体は同じで、機首の曲面カーブの差から、弾道の溝の大きさが
異なって見えるのかも知れないが ... ともあれ、上側の機関砲口のほうが
下側より大きく見えるよう、埋め込んだ真鍮管の直径に差を付けた。

胴体側に接着するインティーク・ベーンの表面には目立つヒケがある。
パテで埋め、整形した後に塗装したら、塗装時のシンナー分にパテが負け、
またヒケてしまった。 塗装前にサーフェイサーを塗っておくべきだった。
塗装を剥して再処理を行う根性は無いので、そのまま放置。

左右分割の胴体の接着に先立ち、塗装を済ませたコックピットを組み込む。
コックピットは、主に3つのパーツ(主計器盤、床板、後方隔壁)で出来ている。
(マスキングの邪魔になるので、シートと操縦桿はキャノピーを接着する直前にセットする)
コックピットを胴体に接着するためのガイドは、胴体右側にしか用意されていない。
しかもガイドの位置が微妙にズレているようで、そのまま接着すると、床板が沈み込んでしまう。
説明書の図解では、床板に接着した主計器盤と後方隔壁を胴体に接着することで、事実上、
床板を胴体に『吊る』ような構造にも読み取れるのだが、それではいかにも頼りない。

コックピットの組立手順としては、まず、床板と後方隔壁を接着。
胴体内側、首脚庫の内側あたりに、1,2mm プラ板と 3mm プラ棒を組み合わせて、
現物合わせで作った底上げガイドをセット。 その上にコックピットの床板を乗せて接着。
最後に主計器盤をセットしようとしたら、少しキツかったので、計器盤の底の部分を削って調整。
当然、塗装が剥げたが、上から覗き込んでも見えない部分なので、タッチアップは省略。

コックピットの組み込みが終わったら、胴体左右を接着。
コックピットのどこかが干渉するのか、特に機首に隙間が開く。
低粘度接着剤を隙間に流し込み、強引に接着。
継目にパテを擦り込み、整形。
埋めきれなかった隙間には瞬間接着剤を流し込み、再度整形。
整形作業中に消えたパネルラインを彫り直したら、翼根の厚い主翼を胴体に接着。
力の架かる部分なので、普通の液体接着剤とクリヤー・ボンド S・U を併用して、ガッチリ接着。

製作途中 img.
*** 製作途中 : 胴体と主翼を結合、整形作業中 ***
*** 水平尾翼は塗装後に接着の予定 ***


塗 装


塗装箇所 使用塗料 備考
コックピット内部
計器盤
Mr.Color #13
“ニュートラル・グレイ”
胴体内側はコックピット周囲のみ
Mr.Color #13“ニュートラル・グレイ”で塗装
射出座席 ヘッドレストはMr.Color #2“ブラック”
クッションはMr.Color #54“カーキ・グリーン”
エア・インティーク
インティーク・ベーン
Mr. Color #1
“ホワイト”
エンジン先端部分はMr.Color #8“シルバー”で塗り分け
エンジン後端・内側 Mr. Color #28
“黒鉄色”
Mr. Color #33“艶消し黒”で下塗り
スミ入れ
ウオッシング

コックピット内部は、説明書ではインテリア・グリーンが指定されているが、
Mr.Color #13“ニュートラル・グレイ”で塗装した。
計器盤はメイン / サブともモールドされていて、デカールは用意されていない。
主計器盤は、全体をMr.Color #13“ニュートラル・グレイ”で塗装し、
ダイヤル部分にはMr.Color #2“ブラック”を注して、
計器のベゼル部分をMr.Color #8“シルバー”で塗り分けた。
レーダーのインジケーター部分にはMr.Color #3“レッド”を注したが、
鮮やか過ぎて再考の余地あり、といったところ。
左右の補助計器盤はMr.Color #33“艶消し黒”で塗り、
計器のベゼルやスイッチ類はMr.Color #8“シルバー”で塗り分けた。


参考資料 (順不同)


航空ジャーナル臨時増刊 AJ CUSTOM マクダネル戦闘機


アカデミー (ホビークラフト・カナダ)
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