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### Recent UPDATE ###
### 26.May.2,013 ###

ハセガワ 1/48 三菱 T-2

新しいだけあって
良く出来たキットだけど、
正直期待外れ
何かが足りない ...
witch img.

*** KIT No. Pt37 ***
1/48 T-2 PKG. img.
三菱 T-2 の模型は、フジミの1/48、ハセガワの1/72と来て、
これが3種目であり、おそらく最後のキット化であろう。
モノグラムやタミヤがキット化するとはとても思えないから。
(京都のボークス / 造形村製 1/32 という目はあるかも知れないが ... どうだろうなあ?)

*** 追補 (27.Jun.2012) ***
2,012年05月の第51回静岡ホビーショーにおいて、(有)PLATZ 社から
1/72 “三菱 F-1” の新規金型キットが発売されるとの正式発表がありました。
発売は同年の夏頃の見込みで、定価は \2,520(税込)の予定とか。
同社のブースでは、1/72“T-2” の開発も進行中との非公式アナウンスも聞かれたとのこと。 
*** 以上、追補 ***

T-2 の模型は他に、アリイ / マイクロエースの 1/144 もあるが、
LS の 1/144 F-1 を基にしたキットで、ユーザーに後席キャノピーの追加工作を要求する
プチ改造ヴァリエーション・キットであり、流通が不定期でもあるので、カウント外。

フジミの 1/48 が発表されて以来、およそ30年ぶりのニュー・キットというので
さんざん期待したのだが、期待を膨らまし過ぎたのか、失望もまた大きかった。
プロポーションはまさしく T-2 なのだが、モールドが ...
とても21世紀の模型とは思えない大らかさ。(詳細は後述)

不満はいろいろあるものの、今更フジミの1/48を苦労して組むよりはと、作業開始。


製作


仮組すらした訳ではないので偉そうな事は言えないが、
フジミ 1/48 T-2 / F-1 の欠点として挙げられるポイントは
1、複雑な分割を施された主脚
左右対称に組むだけでも大変そうな上に、強度的にも心配
2、コックピットのディティール
計器盤は全てデカールで表現されていて、近代の 1/48 としては寂しい出来
3、射出座席のプロポーション
背もたれ部分の背が高いわりに横幅が狭い。 ディティールも乏しい
4、キャノピーの形状
この件に関しては未確認だが、ウインドシールド先端の幅が広すぎる?
5、主翼上の境界層フェンスが省略(?)されたまま
T-2試作機にフェンスは無く、試作機のテスト飛行の結果追加されたので、
フジミのキットにフェンスが無いのはあながち間違いではないのだが、
いいかげん追加してくれてもバチは当たらないと思う。
... くらいだろうか?
上述の1に関しては近年、一体成型されたソフトメタル製主脚パーツが同梱されたキットが
発売されはしたが ... だからと言って今更、フジミを選ぶ人がどれくらいいるだろうか?

さて、ハセガワ 1/48 T-2 である。
さすがに後発のキットだけあって、フジミの欠点はことごとく潰してある。
仮組をした段階では、プロポーションに破綻は感じられない。
だが、事後変形だろうか?
ハセガワの製品にしてはパーツの勘合が全般的に甘いように感じられる。

新しいだけあって、コックピットや脚のモールドはフジミのものより進歩してはいるが、
凹線で表現されたパネル・ラインは彫りが深いのみならず、線が太くて、実感に欠ける。
また、このクラスの航空機にしては、パネルラインの本数が妙に少ない印象を受ける。
文林堂刊の『世界の傑作機 / 新装版 #116 三菱T-2』等の図面と比較してみると、
存外図面どおりのようでもあるが ... 外板の継ぎ目やらアクセス・パネルがそんなに
少なかったのだろうか?T-2 / F-1 という機体は。 根拠があるのならともかく、
存在しないラインを創作で追加するのは論外ではある。 しかし、このままでは
模型としてノッペリし過ぎで、リアリティに欠ける。 悩みどころではある。

各所に穿たれたリベット、いやスクリューやファスナーの類の頭かもしれないが、
整然と並んでいるようには見えず、穴が大きく深いこともあってか、妙に投げやりな印象を受ける。
端的に言って、リアリティが全く感じられないばかりか、逆にスポイルしているような印象だ。
ハセガワのT-2が妙に野暮ったいのは、ここらに元凶があるのだろう。
スクリュー類の穴を埋め、凹線でモールドされたパネル・ラインを細く彫り直すのも手だが、
そこまでする根性の持ち合わせも無い。 ままよ、このまま作っちまえとストレート組みを開始。

*** 主翼 ***
上下2分割。 上面は左右一体成型。
いかにも超音速機らしい、薄く成型された主翼だが、
上面 / 下面パーツとも内側に押し出しピン痕が盛り上がっている。
これがジャマをして、主翼上下パーツがすっきり嵌らない。
上下接着前に、水ペーパー等で内側のピン痕をフラットに整形しておくと良い。
また、上面パーツの後縁フラップ部分にヒケが見受けられるので、パテ等で修正すること。

*** 胴体 ***
比較的フラットな胴体下面のパネル・ラインのモールドを再現するためだろう。
胴体下面も別部品化されているが、おおまかに言って、胴体は左右2分割。
ただし、左右分割されたレドームとテイル・コーンは、胴体とは別体成型。
胴体表面のラインを極力乱さないようにする為、胴体左右を接着する前に、
まずレドームとテイル・コーンをそれぞれの側の胴体に接着し、
左右胴体をそれぞれ一体化した後に、胴体左右を接着すると良い。


塗装


塗装箇所 使用塗料 備考
胴体内側 Mr.Color #71
ミッドナイト・ブルー
光の透過予防
コックピットの塗装と同時に実施
主翼内側 Mr.Color #33
艶消し黒
光の透過予防
コックピット Mr.Color #307
グレー FS36320
Mr.Color #71 ミッドナイト・ブルーで下塗り
スミ入れ
ウオッシング




参考資料 (順不同)

三菱 T-2 世界の傑作機 (新装版) # 116 文林堂
三菱 T-2 世界の傑作機 (旧版) # 127 文林堂
航空ファン 1,980年04月号 (Vol.29 No.4) MODELLING
MANUAL
文林堂
ホビ−ジャパン 1,978年12月号 (Vol.112) (1/72 折込図面)


ハセガワ 1/48 三菱 T-2


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