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### Recent UPDATE ###
### 05.May.2,014 ###


FUJIMI 1/48
GRUMMAN F-14A TOMCAT "BLACK BUNNY"

世界初の 1/48 TOMCATのキット
... とは云え、
ハセガワ1/48が存在する現在、
今更作る人、いるかしら...?
witch img.


*** KIT No. 33004 ***
FUJIMI 1/48 F-14 PKG. img
このキットを購入したのは、ハセガワが1/48のトムキャットをリリースする前夜の事。
確か東京・新宿に在った量販店“カメラのさくらや”で、購入価格は \1,750 だったようだ。
(当時の定価は \2,500)
当時、ハセガワが近日中にニュー・キットをリリースすると承知していたが、
フジミの1/48トムキャットは持ちあわせが無かった事と、定価の3割引価格に釣られて購入。
その直前、空自・百里基地のオープンハウスに展示された、VF-21のスペシャル・マーキング機を
フィーチャーしたデカールが添付されたのも購入動機のひとつであった。
東京・笹塚の模型店“えんどう”で購入した、バーゲン品のモノグラム1/48トムキャットと並行して
組み立ててはいたのだが、やがてハセガワのニュー・キットが模型店の店頭に並ぶに至り、中断。
関東から中部への引越し(都落ち?)のドサクサ等に紛れて仕舞い込んだまま幾星霜 ...

現在でこそ出揃った感のある 1/48 TOMCAT であるが、今回扱うフジミのキットは、
その嚆矢となった物。 その功績を認めるにやぶさかでは無いが、購入当時でさえ、
その古めかしさは隠しようも無かったと記憶している。
そんなキットを今更 ... と自分でも思うが、そろそろ成仏させてやらないと、と作業再開。

キットは、上下分割の胴体に左右分割の機首(コックピット周り)を組み合わせる構成。
パネルラインは主に凸線で、動翼と、なぜか機首部分のみ凹線が施されていた。
当時は、ハセガワから独立したトライマスター社が各種工具を発売し始めた頃でもあり、
発売されたばかりのスクライビング・ツールとステンレス製テンプレートを用いて、
胴体や翼のパネル・ラインを彫ってみた。 それまで使っていたP-カッター等に比べて、
繊細なラインが楽に引けて驚いた事を良く憶えている。
いわばこのキットは、自分にとって『筋彫り挑戦第2号』に当たるものであり、
その点からもなんとか完成させてやりたいと思っている。


製 作


*** 主翼、尾翼 ***
キットのラインを参考に、と云ってもラインをトレースしただけだが、パネル・ラインを凹線化。

*** 機首 ***
胴体とは別に組立て、ほとんど組み上げたあたりで胴体に合体させる構成。
説明書に記述は無いが、念の為、機首には錘を入れたほうが良いだろう。

レーダー・アンテナがパーツ化されているが、レドームが開閉可能なワケでも無いので省略。
機首左舷のAOAプローブは、虫ピンの頭に交換。

機首のバルカン砲口は大きく開いているが、中はからっぽなので、バルカン砲身を自作しセット。
手元にあった真鍮管を7本、適当な長さに切り出し、1本を中心に管を6本、環状に接着。
自作した砲身を機首内部、バルカン砲口の中に接着した。
実機では、砲身の前に、砲身1門分の穴が開いたカバーがあり、6門あるバルカン砲の
砲門全てが見えるわけではないのだが、リサーチ不足で、そこまで再現できなかった。
せっかく自作した砲身全てを見せたいというスケベ根性が無かった ... とは断言できない。

コックピットの計器盤は全て、デカールで再現する方式。
機体内部、コックピット・フロアーは Mr.Color # 13 / ニュートラル・グレーで、
計器盤は Mr.Color # 33 / 艶消し黒で塗装。
レーダー・インジケーターは Mr.Color # 9 / シルバーで塗装した上に
タミヤ・エナメル X-25/ クリアー・グリーンを重ねたが、ムラが酷くてお恥ずかしい限り。
その上に計器のデカールを貼ったのだが、デカール軟化材“マークソフター”が利き過ぎて、
キット添付のデカールがシワシワのボロボロに ... 使い物にならなくなった部分は剥がして、
マイクロ・スケールのF-14用ディティール・デカールの計器部分を貼りなおし。
マイクロ・スケールとフジミのデカールではリアリティに差がありすぎて、
こんな事なら計器類は全てマイクロ・スケールに貼りなおせば良かったかも。

キットの射出座席は GRU-7 に見えないので、AEROCLUB製メタル・シートに交換。
シートが錘代わりになるので、機首に錘は仕込まなかった。
シートはエポキシ樹脂系接着剤でフロアに接着したが、組立作業中に機首部分を落っことした際、
外れてふっ飛んだ。 再接着要す。

コックピットの組立が終わったら、機首左右に組み込み、接着。
レドームの勘合も甘く、パテ盛り整形必須。

ウインド・シールド / キャノピーは、機体との勘合に問題あり。
キャノピーは基部に袴を接着する必要があるのだが、この袴と機体の接線に隙間が開く。
しかもこの袴、後席計器盤のアンチグレア・パネルと干渉し、キャノピーが閉まらない。
キャノピーは開けてしまえば楽なのだが、閉めた状態が好みなので、調整難航。
アンチグレア・パネル基部を削ったりして、キャノピーとの干渉問題はクリアー。
ウインド・シールドも勘合に問題あり。
機首のウインド・シールドの付け根部分と、シールド自体のカーブが繋がらない。
ウインド・シールドを接着後、機首側にポリ・パテを盛り付けて削り出すしかないか?

*** 胴体 ***
主翼同様、パネル・ラインを凹線化。
胴体後部、ノズルの少し前に、胴体を一直線に横断するパーティング・ラインが見受けられる。
恐らくはスライド金型の継目だろう。 パテ盛り整形。

エア・インティーク内側、可変ランプ奥のパーツ(P/N : 58,59)は
ディフューザー・ランプを再現したものだが、いかにも形状が妙なので、省略。
取り付け基部の穴にはプラ板の切れ端を詰め、ラッカー・パテを塗りたくって整形。
胴体上下が未接着の為、パーツが歪みやすいのだろうか。 この部分が何度も割れる。
ここの処理に手間取っているうちに封印したようなものだ。
素直にディフューザー・ランプを接着するか、ポリ・パテ、エポ・パテを奢ればよかった。
(ポリ・パテ等を買いに行くのが面倒で、手元のラッカー・パテを使ったのが失敗の源か)

エア・インティーク・ダクトの下にはハード・ポイントがあり、増槽の装着が可能だが、
このポイントの位置が疑問であった。 キットでは外寄りの位置になるのだが、
実機ではもっと中央寄りになるのでは ... と根拠無く思い込み、御丁寧にも、
キットでは隠し穴になっている増槽の取り付け穴を一度開けた後で、
ダクトのセンター付近に開け直し。 本来の穴は、爪楊枝を植え込んで塞いだ。
現在、資料を見直してみると、キットの隠し穴の位置は間違っていないようだ。
骨折り損のなんとやら。
教訓 : 疑問点があるのなら、事前に資料をよく調べましょう


塗 装




参考資料 (順不同)


F-14A TOMCAT Part.1 おっ助け写真帳 Vol.6 ホビーショップ・ワーク
ハセガワ
グラマン戦闘機 AJ カスタム / 航空ジャーナル
1,976年9月臨時増刊号
航空ジャーナル社

キット購入当時、後にF-14が日本に配備される事になるなど、思いもよらなかった。
数年後、厚木にVF-21とVF-154が配備され、冷戦構造の崩壊、軍縮ムードの中で
VF-21が帰国し、解隊。 長らく日本に駐留したVF-154も遂に帰国し、現在では既に、
F-14は全機用途廃止の有り様。 栄枯盛衰世の習い、とは云え、寂しいものだ。


FUJIMI 1/48
GRUMMAN F-14A TOMCAT "BLACK BUNNY"


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